ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

自立する地域社会

瀬戸内に浮かぶ「アートの楽園」直島~脈々と受け継ぐグランドデザイン(4)
自立する地域社会
2011年1月11日 15:19

<半世紀にわたる長期プロジェクト>

 さて、この奇跡のようなアートの島の成り立ちを語るうえで、外せない人物が2人いる。
 まず1人は、1959年から9期36年にわたって直島町長をつとめた故・三宅親連(ちかつぐ)氏である。
直島町役場 三宅氏が直島町長に初当選したのは50歳のとき。そして同氏が初めて編成した「1960年度当初予算大綱説明」のなかで打ち出した大骨格が、今もなお生きているのである。それは、「直島の北部は既存の直島製錬所を核として関連産業のより一層の振興をはかり、町経済の基盤とする。中央部は教育と文化の香り高い住民生活の場。南部は瀬戸内海国立公園エリアを中心に自然景観と歴史的な文化遺産を保存しながら、観光事業に活用することで町の産業の柱にしたい(『直島町史』より)」というもの。簡単に言えば、直島を3つのエリアに分け、それぞれを特色ある活用をしようというものである。これは、いわば半世紀前に策定されたプロジェクトだが、幸か不幸か直島は三宅氏が36年間町長をつとめ、その後の町長も比較的その継続性のなかで来ているため、ある意味では「50年一貫した方針」で町づくりがされていることになる。
直島小学校 たとえば、直島では幼児学園、小学校、中学校において、88年より町独自に英語教育が行なわれている。小学校では現在も「ミートザワールド(Meet the World)」という英語を使ってコミュニケーションを楽しむ行事が毎年行なわれているが、これらの活動がある意味では、現在多数来島している外国人観光客の受け入れ体制の下地になっているとも言える。
 また、役場を始め、小学校、幼児学園、中学校などもアート的な建築物となっているが、島内の随所に、アートな仕掛けがある実はこれはベネッセが島に来る以前からのもの。町民がこれら建築物に昔から慣れ親しんでいたこともあって、その後展開されるさまざまなアートを抵抗なく受け入れる下地が整っていたという説もある。
 これら三宅氏の方針が現在もグランドデザインとして生きており、脈々と受け継がれているのである。

(つづく)

【坂田 憲治】

*記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

自立する地域社会一覧
自立する地域社会
2011年10月 3日 13:22
自立する地域社会
2011年9月16日 07:30
自立する地域社会
2011年9月15日 15:45
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル