福岡ライオンズクラブ 会長 関戸 秀子
＜伝統ある福岡LCの女性会員第一号として＞
私が「福岡ライオンズクラブ（以下、福岡LC）」に入会したのは2002年です。それまで保険業界で20年働き、MDRT（生命保険・金融プロフェッショナルの世界組織）への入会を期にホテルでパーティーを開催した際、知人の福岡LC会員さんに入会を勧められたのが縁です。「今後は女性にも活躍して欲しい」とのことで、私は同会の女性会員第１号でした。福岡LCは1955年創立と県内で最も古い伝統ある会で、80代の先輩を筆頭にしっかりしたタテ社会もありました。世間では男女共同参画という言葉が出始めていましたが、私自身は「女性が入って悪くなった」と言われないよう努力しました。
福岡LCでは、盲導犬の育成・普及に年間何百万円と寄付したり、次世代育成のための支援などを積極的に行なったりしています。活動のなかで最も勉強になったことは"奉仕の精神"。会では誰も自分の商売のことなど表に出しません。もうひとつは、目上の方への礼儀作法を含めた組織のあり方です。長い伝統が引き継いできたものもあり、私にとっては良い経験になりました。
それから６年間、女性は私だけでしたが、現在は会員40人のうち４人の女性が在籍しています。私自身はその後、幹事や会計も務めました。荷が重いと感じないわけではなかったのですが、ここで私が引き受けないと後輩に道をつけてあげられないですから、とにかく正面から真摯に、意欲を持って取り組みました。その延長線上で会長職を引き受けることになりましたが、今はもう、女だからと特別扱いを受けているわけでもないですね。
「お金が余っているから奉仕」ではない
今、会長として改めてLCの一員としての心構えについて考えています。どこでも会員数の減少が課題ですが、経済的にも苦しい時代だけに「何のために存在するのか」という存在意義を再確認しなければならない時です。
１年間の方針を示す私の提言は「慈愛・奉仕」。自分がかかわる周囲だけではなく、人を本当に愛し、平和な地球を保っていこうという姿勢を土台に、損得勘定抜きで自分のお金と時間をどう奉仕していくかということが大切。今は、原点に返る時代ではないかと思います。
もともと私は15年前に夫を亡くし、女手ひとつで子ども２人を大学まで出し結婚を見届けていくなかで、LCの活動も続けてきたのですが、奉仕というのはお金が余っているからする、というのではないと思いますね。人間必ずどこかでだれかとつながっていて、そういう社会で人を救うことも考えていくものだと感じます。
一方で、LCといった団体にある程度縛
られて、毎年一定の寄付や奉仕活動をするというのは、個人が個人の意思だけで行なうよりもよっぽど続けていける形です。LCの年間会費20万円は、完全に私個人のお金で支払っています。そして地道に出してきたお金が、海外の小学校の建設費になっていたとか、目の見えない方に役立ったとか、何年か後に分かるわけです。団体で取り組むからこそ目標に向かう執念も、そして達成感も大きい。また、そういう中で人は磨かれる価値があると思います。福岡LCにも、この時代だからこそ、純粋に奉仕を考える若い人や女性たちにも入会してもらいたいですね。
＜プロフィール＞
関戸 秀子 （せきと ひでこ）
「マニュライフ生命保険株式会社」に勤務。2010年７月より福岡ライオンズクラブ会長。長男（37歳）と長女（32歳）あり。
＜会社概要＞
マニュライフ生命保険株式会社
代表者：クレイグ・ブロムリー（社長 兼 CEO）
所在地：福岡市博多区祇園町7-20 博多祇園センタープレイス11階（福岡支社）
設 立：2001年９月
ＴＥＬ：092-283-8580
ＵＲＬ：http://www.manulife.co.jp/
※本稿は以下の書籍に掲載されています。
このたび、弊社では「愛する福岡へ 201人の提言」を発刊いたしました。内容は、政治、経済、学界の有識者および福岡・九州で活躍する企業経営者が、それぞれの立場から福岡の未来に対する提言集となっております。本著には、以下でご説明するさまざまな活用法がございます。
活用法その１ 「企業経営の良き参考書」
各界を代表する有名経営者の提言は、これから起業される方をはじめ、現在、経営に携わっている方への良きアドバイスとなるでしょう。経営戦略・人材育成・CSR（企業の社会的責任）など、内容は多岐に渡っており、さまざまな場面でお役に立つはずです。
活用法その２「営業先を知るための予習書」
福岡を中心に各企業の代表がずらりと掲載されている本著は、各経営者の考え方や社歴を知るための予習書として営業ツールに最適です。
活用法その３「福岡の未来が分かる予言書」
「予言書」とは言いすぎかもしれませんが、福岡・九州の発展のために、国会議員、自治体首長、地方議員の方々からいただいた提言も掲載されています。また、深い見識を持つ各業界のトップ・リーダーたちも、福岡のまちづくりに対するアドバイスを行なっています。
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