＜スクラップ＆ビルドで成果が出るのは３、４年目＞

　― 一緒でしょうね。そうなったらマスコミは自民党政権を叩くでしょう。

　野田　ご承知の通り、アメリカの中間選挙では、オバマ大統領だけではなく今までの大統領、全部が負けています。中間までの１、２年目というのはスクラップしなくてはいけない部分なのです。そして３、４年目にやっと成果が出てくる。そして、２期目はけっこう勝つんですよ。

　―あまり書かれていませんが、オバマ大統領も１、２年目に新しい手を打っているわけですよね。それが法的に成立していけば結果が出てくる。

　野田　就任のご祝儀相場で（支持率は）高いけど、１、２年の間はだんだん落ちてくるわけです。そこでスクラップする部分が非常に多いものだから。

　―何が悪いんですか、マスコミですか。たとえば小沢氏を応援するのか批判するのか、それぞれの記者なり新聞が、立場を鮮明にした持論を展開してもらいたいですよね。さも「国民のために」と論陣を張る風潮が問題です。

　野田　私もよくマスコミに言います。「何で小沢さんばかりなのか、ほかにもいるじゃないか」と。そう言うと「それじゃ売れませんよ」と、実際は商業主義的になっている。そのへんがちょっと間違っているのではないでしょうか。残念ながら...。
　ただし、民主党が悪いところもあります。政権をとって１年４カ月ですが、経験不足はやはりあった。マニフェストについても野党だったからよく見えていなかった。そのひとつが埋蔵金です。ムダを削る事業仕分けは国民に対して絶対にやらなければいけないことですが、その結果、削減額が少なかったのも経験不足によるものです。

　―ところで、沖縄問題はどうすべきだと思いますか。

　野田　民主党も自民党も結局、辺野古となっていますが、議会、市長、知事が反対となれば120％できないわけです。だから私は、現実路線で『テニアン移設』論者なのです。アメリカの海兵隊という部隊がどういうものなのかを国民に説明していけば、テニアンは「来て下さい」と手をあげているのですから―。そうしないと、民主党も自民党もできもしないことをできる、そして日米同盟のなかでやっていかなければならないとずっと言っていたら、それこそ国民を愚弄する話ではないかと思うのです。
たとえば北朝鮮で何かあったとしたら、まず行くのは空軍の飛行機でしょう。そこで情勢分析をして、その結果、海兵隊を向かわせるかどうかが判断されます。そこにはやはり時間が必要です。

　―その部分でも"伝えないマスコミ"の責任は大きいですね。

　野田　本音の論議を、情報公開含めて徹底的にやっていくことが大事だと思います。

【文・構成：山下　康太】

＜プロフィール＞
野田　国義　（のだ　くによし）
1958年、旧八女郡立花町の農家に長男として生まれ育ち、日本大学法学部卒業後、代議士秘書を経て、93年に34歳で八女市長に当選。全国最年少市長「八女のクリントン」として話題になる。以降、「改革派・市民派市長」として４期16年勤める。現在、民主党・衆議院議員。2010年11月27日、民主党福岡県総支部連合会代表に就任した。

＜事務所概要＞
所在地：福岡県八女市本町中宮野町2-81
ＴＥＬ：0943-24-4630
ＵＲＬ：http://www.nodakuniyoshi.net/

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