近年、中国投資家による海外不動産の購入が、海外メディアにもたびたび取り上げられています。そして、その資金の豊富さや投資の豪華さが、いろいろな議論を引き起こしています。購入者については、大まかに分けると「民間企業家」、「留学生家庭」、「専門投資家」になります。投資目的地を国別で見ると、カナダ、オーストラリア、アメリカがトップ3になるようです。
<オーストラリア>
報道によると、2010年10月30日~11月2日の期間で行なわれた、あるネット会社と上海テレビ局が共催した「オーストラリア不動産購買ツアー」に参加した10人あまりの参加者たちは、ツアーの3日間でオーストラリアの別荘やマンションを合計十数軒買ったそうです。そのうち、ビジネスを営んでいる王さんが一気に別荘1軒とマンション4棟を購入し、総額が4,000万人民元(1人民元=13円)に達したようです。
最近、国内各地で「不動産購入制限」などの政策が打ち出されたという背景もあって、国内投資家の目は海外に向いているようです。なかでも、オーストラリアの物件が最も投資価値があると評価されているようです。
アメリカやカナダ、日本、シンガポールと違い、オーストラリアでの物件賃貸収益率は世界最高の7%になるとの試算があるそうです。また一方で、物件を保有するのにかかる費用が、極めて低いとのことです。というのも、物件管理費以外にかかる資産税や増値税などの「雑費」が、一切ないということです。
そのため、とくに「家賃収益で子どもの留学費用を賄う」というコンセプトの元、中国投資家の間で購買ブームを巻き起こしているようです。
たとえば、オーストラリアのゴールドコーストの海辺に300万人民元でマンションを購入すれば、毎月1.3万人民元、1年間で15万元超の家賃収入を得ることができます。これは、留学生1人の学費と生活費には十分な額です。
ちなみに、前述の王さんの息子さんは、オーストラリアで留学しているそうです。
(つづく)
【劉 剛(りゅう ごう)氏 略歴】
1973年12月生まれ。中国上海出身。上海の大学を経て、96年に地元の人材派遣会社に入社。10年3月より福岡に常駐。趣味は読書。
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