寺島浩幸氏寄稿の記事「福岡市・行政改革の実態」に対し、「伊達直人」様から寄せられたご意見メールを紹介いたします。
それは、(A)※1として位置づけられるはずの遊び心が、義務・競争となり、職員の間に厭世感が生じたことも原因のひとつです。毎年、毎年、各課でミッションだの、達成率だの一定の成果を求められることに職員が、うんざりし始めたことにも原因があります。勤務評定の欄に、DNA運動に熱心であったか否かの項目まで設けられました。
さらに管理職は、他の課に負けじと職員に対し「何でもいいから知恵を出せ」と言いますが、3年も経てば課単位の業務改善は終わります。また、ある管理職は市長に顔を売るチャンスと本来の業務をおろそかにして、本庁でのDNA運動に関する会議に行き、顔売りに励んでいました。
考えても見てください。人員削減・法の改正による業務の変更・システム見直しによる機器操作対応・議会対応・予算削減のなかで、実質的な追加業務が加わったんです。業務時間内にDNA運動に関する会議があれば、通常の業務は時間外にせざるを得ません。ヘトヘトの状況のなかで、運動という美名のもとに運動が義務として進んで行ったことに職員が怒っているのです。
そもそも、DNA運動とは職務上の義務なのか、単なる運動(気がつくことがあれば知恵を出せよ)程度のものなのかが示されていないことが問題ではなかったのかと思います。
【伊達 直人】
貴重なご意見ありがとうございました。
※1 福岡市役所で行なわれていた業務改善の取り組み。DNAは「D(できる)から始めよう。N(納得できる)仕事をしよう。A(遊び心)を忘れずに」という意味。詳細は関連記事参照。
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DNA運動の拡大と終焉~福岡市・行政改革の実態(6)
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