<年明け早々の破たんの悪影響>
2008年9月のリーマンショック以降、景気が低迷を続けている。民主党政権になって政局が不安定であることもあり、先が読めない時代になった。それでも人は生きていくために働かなければならない。"正月休み明けから改めて気合いを入れ直して仕事に励むぞ!"と出勤したら取引先のニューマルシンが民事再生法を申請、初仕事が債権者説明会という取引先も多かったことだろう。
かつて、食品スーパーの倒産ではオレンジチェーン本部(株)が2002年12月2日に、「アパンダ」の石原商事(株)が2006年12月27日に法的手続きを行なったことが記憶に新しい。スーパーマーケットを始めとした小売業はとくに大晦日前の28~30日は月商分以上の売上を上げる店舗もある。年末を経ての破たんに債権者らは「正月明け早々気分が悪い。年末のかき入れ時を終えた後の申請は絶対にいかん」「今までお世話になったから、あまり強くは言えないがやり方はいかがなものか」「もう少し踏ん張ってほしかった」などと様々だった。
福岡の小売業界では今年の年末に1年を振り返る際、「今年は新年早々ニューマルシンが~」というように名前が必ず出てくるだろう。それほど、取引先の記憶に残るものになった。消費者に対する影響は少ないかも知れないが、取引業者にはマイナスイメージからの再スタートになる。企業再生に向けて同社の今後の施策に注目が集まるが、改めてスーパーマーケットの今後の在り方を考えさせられる出来事になったのは言うまでもない。
【矢野 寛之】
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