24日、通常国会が開会。そのなかで与謝野馨 経済財政担当大臣の演説時、与野党から執拗なほどの野次が飛び交った。その野次についての率直な感想を述べたい。最初に、与謝野氏を個人的に擁護するつもりはないことを断っておく。
与謝野氏にとっては菅政権の閣僚としての初演説。経済活性化と社会保障改革、財政健全化に一体的に取り組む考えを示し、自身の"政治信条"を語った。その際、野次が飛び交った。野党・自民党からは「平成の議席泥棒」。また、与党・民主党からも「よその大臣」と野次った議員がいた。この様子を見て、ますますこの国の現状を憂えてしまった。その発言の品格のなさに閉口してしまったのである。
自民党の"泥棒"発言は、単なるやっかみにしか聞こえない。さらにひどいのは与党・民主党からの"よその"発言だ。与謝野氏が閣僚に選ばれた経緯や事情はさておき、内閣総理大臣で党代表である菅直人氏が指名したのである。今後の結果や人選の良し悪しは別問題で、閣僚トップ、党のリーダーが決断したことへの反逆行為であるとも言える。また、決まったことに対して何時までも蒸し返して議会の進行を妨げる行為は、決して褒められる言動ではない。このような政治屋(あえて"屋"を使う)にわが国の政(まつりごと)を任せても良いのだろうか。
「お前に政治の何が分かる?」と言わるだろうが、人としての品格は別だ。議会での野次は、風物詩として面白可笑しく表現されていること自体に違和感を覚える。
景気・雇用、財政、外交、年金などわが国が抱える問題は山積している。早期に課題を解決していかねばならない。そのためにはすべての議員とは言わないが、政治家の人間教育からやり直す必要(特に野次を言った議員)もあるのではないだろうか。「人の話は黙って聞く」とは、幼稚園・保育園児でも習うことだ。国民の代表者が、人として当たり前のことをチキンとやり、政策論争を行なってほしい。
【河原 清明】
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