<地域密着経営を継続 街道一の賑わい>
トラヤミートは、福岡市民にも根強い人気があることから、スーパーからテナント出店の誘いも多い。しかし「テナント出店をしたら、本店をおろそかにしてしまう恐れがある。それに、肉は切る人によって歩留りに大きな差が出てくる。1人前の職人になるには10年はかかる」とし、小川社長は出店にまったく関心がない。その代わり、消費者に対してさらに美味しい肉を追及し提供することを自分の使命としている。
07年にオープンした「伊都国街道・肉の食事処」では、伊都国地鶏、糸島牛、糸島豚すべての焼き肉が堪能できる名物コース『伊都国街道ランチ』が話題となり、山あいでは街道一の賑わいを見せている。とくに週末に訪れる買い物客は地元よりも圧倒的に福岡都市圏からの人が多い。半数以上が福岡市内および福岡都市圏からのお客で、レストランに隣接する本店ではいちどに2万円、3万円のまとめ買いをする人も見かける。
「21歳で独立して今日まで48年、さまざまな困難に立ち向かえたのは、多くの人に支えられたおかげ。昔はやんちゃだったが、2度ほど大病を患い、多くの人に支えられて今日まで来ている。今後はその恩に応えるためにも、伊都国街道の振興に努め、地域に貢献したい」と語る小川社長。地域密着経営で成長を遂げたトラヤミートの歩みは、伊都国街道に通じる道のりだった。
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