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グローバリゼーションのなかで 教職員・学生の適応力を高めたい~福岡工業大学・短期大学部・下村学長(7)
特別取材
2011年1月31日 09:30

学校法人 福岡工業大学・短期大学部 学長 下村 輝夫 氏

<日本人としてどのように生きていくか>

 ―昨年10月に就任されて、任期は3年ということですが、今後はどのようなことを具体的にどこまで達成していきたいですか。

 下村 学生を自分の子どものように教育する意識を、教職員の方々に持ってもらうことです。「For all the students」という経営理念がありますから、学生のためにどうすれば良いかということをよく考えてほしいですね。そうすると、黒板だけを向いて授業するということはありえませんし、授業と授業の合間に学生が質問をしにきたときにどのように答えるか、そうしたことが重要です。
 学生に言うのは、「私も大学生時代にどのような講義を受けたかという内容までは覚えていないが、飲み会などのなかで先生に『人生をこうした方が良い』と教えてもらったことの方が覚えている」ということです。教職員は10年後、20年後、その教え子が自分のところに訪ねてきてくれるかどうかで成果が表れると思います。
福岡工業大学・短期大学部 学長 下村 輝夫 氏 3年間、短いようで長いですが、とにかく現場に目が行き届くようにしたいということです。学校の規模としてはそれほど大きくないので、ある程度は現場を見渡せると思いますが、細かいところはなかなか難しいですね。保健管理センターなどは問題となる情報が一番集まりますから、ときどき顔を出しておく必要があります。
 深刻なのは、そこにたどり着く前に、悩みを抱えたまま学校をやめてしまう学生がいることです。彼らにどのような幸せな道があるかを示し、日本人としてどのように生きていくかを教えていく必要があります。
 また、留年の問題もあります。学生のレベルを高いまま維持するのは大変なことです。そのため、早く卒業させようとして単位を安易に出しすぎると、いざ就職して3~5年くらいたったときに、産業界の方から「このような質の学生は必要ない」と言われることが懸念されます。そうなると、今後そこに雇ってもらうことができません。

(つづく)

【聞き手:弊社ネット事業部リーダー 児玉 崇】
【文・構成:大根田 康介】

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