「晴れてたら、あのパチンコ店の看板の上のほうに新燃岳が見えるんだけど、煙で見えなくなってしまったよ」というのは宮崎県都城市内のとあるコンビニの従業員。新燃岳の噴火が活発化した26日以降、都城市内では火山灰により視界が悪くなっている。
取材当日、現地では風が吹き荒れ、眼鏡とマスクを着用しないと動きが取れなかった。記者が立ち寄ったコンビニでは入口のドアには灰がこびりつき、店内は灰でザラザラしていた。都城市に隣接する鹿児島県曽於市の「道の駅たからべ」では、火山灰の被害はないものの、野菜には注意書きで『火山灰が付いていますのでよく洗い落として下さい』と記されてあった。
一連の報道によれば、火山灰の影響でほうれん草を中心に野菜の出荷量も減少し、農作物にも影響が出ている。さらに宮崎県では鳥インフルエンザの症例も発見され、各地で次々に鶏の殺処分が行なわれている。29日は鹿児島県と宮崎県の県境でもある都城市都島町の交番横で畜産関係者を対象に車両の消毒が行なわれていた。誘導していた交通警備員の後ろ髪は灰で真っ白。火山灰と鳥インフルエンザのダブルパンチに揺れる宮崎県都城市。市民生活へ悪影響を及ぼしている。一刻も早い沈静化を願いたい。
【矢野 寛之】
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