<『できるためのこと』を考える>
―今だからこそ、首長のリーダーシップ、信念でいろいろなことができると思います。評価は別として、鹿児島県阿久根市や大阪、特に名古屋であれだけの市民を引き込んだことはすごい。
今、市民を燃え上がらせるような時代背景があると思います。やり方によっては、首長が思い切ってやれる時代ではありませんか。
高島市長 絶対にそう捉えなければいけません。いろんな手法はありますが、首長のリーダーシップと発するメッセージによって、市民が地方自治に対して興味を持ち、そして、そこを通して見える国家のあり方などが重要になってくると思います。
発言に注目されているからこそ十分に注意しなければなりませんが、発するメッセージはしっかりと未来が見えるかたちで、「起き上がって頑張ろうぜ!」と伝えていきたい。
―来年(2011年)3月には九州新幹線が開通しますが、この機にどのように乗じていくの考えですか。
高島市長 正直、私はピンチではないかと思っています。つまり、終着地点でなくなるので、東京や大阪から来た人が博多駅を通過して、熊本や鹿児島に行ってしまうのではないかと。たとえば、これまで博多駅で降りたら、特急やバスに乗り換えることがありましたが、直通になった場合、たとえば2泊していたところが1泊で済むようになる。だからこそ、福岡がどんなまちか、博多がどんなまちかと発信していかないと。熊本は、目に見えて頑張っているのが分かりますし。
―福岡も歴史・文化の資産があるのだから、個別でやるだけではなく統一体系でやっていかないといけませんね。そこは市長のリーダーシップによると思います。
高島市長 点在しているものを線で結んで面とし、ひとつの福岡市という地理にしたいと考えています。そのためには交通や情報のインフラでつないでいきたい。たとえば大胆に、ボストンのように道路に赤や青の線を引いて、そのルートをたどっていけば観光地に行けるなど、観光都市と言われるところを参考にしたい。
ただし、実行までには法律の壁がいっぱいあります。人が作った法律ですから、それは上手に運用していきたいですし、また、それを乗り越えるためにはどうすべきかというところで話をしていく必要があると思っています。決して、そこで「ダメです」で終わるのではなく、『できるためのこと』を考えていきたい。
―最後に、福岡市民の方々へひと言お願いします。
高島市長 とにかく動いていきます。表で大きく言えないことでも、選挙中に言っていたことは全部実現できるよう、全力で"本当は"動いています。私を信じて票を入れてくださった方々、「何かを変える」と信じてくださった方にしっかり応えていくのが自分の使命ですから。そして市職員には「あの人(市長)が言ったからやりました」と、私の責任にしていいのでどんどんチャレンジして欲しいと思います。
<プロフィール>
高島 宗一郎 (たかしま そういちろう)
1974年(昭和49年)11月1日生まれ。93年、大分舞鶴高校卒。97年、獨協大学法学部卒。97年、九州朝日放送株式会社入社。2010年10月、同社を退社し、11月14日投開票の福岡市長選挙に立候補。20万9,532票を獲得し当選。12月7日、第35代福岡市長に就任した。
※1高島市長の「高」ははしごだか。
※2インタビューの文章は、主なやりとりについて内容を整理したものです。
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