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自立する地域社会

「作者とも『対話』を!」~消えゆく阿久根市シャッター・アート
自立する地域社会
2011年1月19日 07:20

 17日、阿久根市長就任後、西平良将氏がまず行なった施策のひとつが、阿久根消防署のシャッターに書かれた壁画の消去だった。同壁画をはじめとする、阿久根市内のシャッター・アートは、市長選告示を目前にひかえた頃に突如、ネット上で取り沙汰され、竹原市政の象徴かのように誹謗中傷されるようになった。
 言うまでもないが、これらのシャッター・アートは、この時期になって突然出現したわけではない。もちろん、前市長・竹原信一氏本人が直接描いたものではなく、市の事業として、あるアーティストが描いたものである。

阿久根消防署のシャッターに書かれた壁画

 驚くことに、作者については阿久根市役所のホームページにもその名が記されていながら、その人となりや過去の作品についてはあまり触れられることがなかった。
 作者は、清田定男さん(71)。全国を放浪しながら、各地でシャッター・アートを手がけてきた人物である。阿久根市で活動していた09年も、ほかに神奈川県の厚木市、逗子市の商店街、横須賀市の幼稚園などで絵画活動を行なってきた。過去には新聞、テレビからの取材・紹介もされており、地域活性化に貢献してきたとされている。

 「らくがき」

 これまでの活動のなかで、阿久根市で初めてそう言われたと、清田さんのブログに記されてあった。一時、人間不信に陥りかけたという。芸術に関することであるから主観的な内容が多いのはいたし方ないとしても、同ブログによれば、阿久根市のアートには、子どもたちのリクエストに応じたものが少なからず含まれているという。消されようとしている消防署のシャッター・アート、テーマは「おもちゃ箱」。消防車の玩具が他のおもちゃと一緒に入ってあるところをイメージした作品だった。

 清田さんのブログには、西平市長が消去を指示した17日、同市長宛てにこう記されてあった。「平成21年9月より、阿久根市の為にと思い頑張ってきた清田定男さん。1年4カ月に亘って阿久根市の為にひたすら描いてきた成果をあなたは消すという。清田定男さんの1年4カ月を無くすのであるのだから、まずは会って話すべきではないでしょうか。対話を大事にすると言うのですから」と。

【山下 康太】

▼関連リンク
エアブラシアート 絵画、壁画、シャッター 清田 定男のブログ

※本記事でブログから引用している文章は、清田さんの友人の方が記されたものです。


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