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特別取材

『牛丼戦争』もグローバル化の時代へ(3)
特別取材
2011年1月26日 11:14

<それぞれで異なる牛丼事業の位置付け>

 吉野家HDの2010年2月期の1,796億円の売上高のうち、牛丼関連事業の売上高は1,021億円だ。次いで「ステーキのどん」を中心にしたステーキ関連事業売上高が249億円、寿司関連事業売上高が263億円、(株)はなまるに(株)千吉を加えたうどん関連事業売上高が145億円となっている。牛めし定食がほとんどの松屋とも、多角化により一大外食産業グループとなったゼンショーとも異なり、あくまで牛丼を中核にしながらの多角化といった印象だ。
 
 ゼンショーは1982年6月に設立され、同年11月にスタートしたすき家(牛丼)を中核に企業買収で成長してきた企業である。現在では一大外食産業グループを形成しており、日本最大の外食産業グループとなった。グループは牛丼カテゴリー、レストランカテゴリー、ファストフードカテゴリー、焼肉カテゴリー、その他カテゴリーに大別されている。グループ全体の2010年3月期での売上高は3,341億円、店舗数は3,934店舗に及ぶ。

牛丼 3,341億円の売上高のうち、もっとも多いのがレストランカテゴリーの1,484億円で、次いで牛丼カテゴリーの1,294億円。この2つのカテゴリーでグループ全体の80%以上を占めている。レストランカテゴリーの中核は2000年7月に買収したファミリーダイニング「ココス」運営の(株)ココスジャパン。このほかにも02年12月に買収した「ビッグボーイ」などを運営する(株)ビッグボーイジャパン、07年3月に買収した「ジョリーパスタ」運営の(株)サンデーサンなども、このカテゴリーに含まれている。
 
 牛丼カテゴリーは、すき家と05年3月に買収した「なか卯」の(株)なか卯。すき家となか卯の店舗数は合計で約2,000店に及んでおり、牛丼チェーンとして見た場合、売上、店舗数的にも国内最大だ。ただしグループ全体で見た場合、牛丼カテゴリーの売上高は40%弱となる。

 松屋フーズは、1966年6月にラーメン屋「松屋」として創業したのが始まりで、68年6月に牛めし焼肉店「松屋」が開業された。牛めし(牛丼)と定食、カレーの3本柱を主力商品として成長してきた企業であり、これは学生や独身サラリーマンを意識した商品構成でスタートしたためと言われている。

 同社は40年を超える業歴を誇る企業だが、他の牛丼チェーン2社と比べて事業の多角化戦略をとらなかった。現在約800店を全国に展開しているが、そのほとんどは牛めし定食店であり、とんかつや鮨の業態店舗もあるが、その数はわずかである。10年3月期の624億円の売上高のうち、584億円が牛めし定食事業での売上であり、とんかつ事業、鮨事業はいずれも10億円前後の売上水準である。1つのパターンの店舗で着実に業績を積み重ねてきた印象が強く、実際の業績も安定推移している。

 3社とも牛丼が事業の中核で稼ぎ頭であることはたしかだが、事業内での牛丼の位置付けは三者三様だ。

※数字はいずれも連結

(つづく)

【緒方 克美】


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