福岡県知事選では、自民党候補選定の動きが表面化し、いよいよ本格始動といった感がある。しかし、その一方で、同時期に行なわれる福岡県議選が今ひとつ盛り上がりに欠けている。とくに全体で22議席ある福岡市では、東区(定数4)、城南区(定数2)のほか、現状で定数以上の立候補予定者が名乗りをあげていない状況。「このまま無投票になるのでは」との推測も立っている。
選挙準備期間が4月1日の告示まで残り約2カ月しか残されていないことをふまえると、今回、7区中で複数の区が無投票になる可能性は決して低くはない。ちなみに前回(2007年)は、全区で選挙戦が行なわれた。
現時点で名乗りをあげている候補予定者の顔ぶれを見て、思わず首をかしげてしまう。昨年(2010年)の参院選で10議席を獲得し、自民、民主につづく第3勢力として今後の動向が注目されていた"みんなの党の候補"が皆無なのである。なお、全県で見ても、現在、発表されている同党公認の候補予定者は、春日市選挙区の新人・中村孝三氏(61)のみ。
参考までに、同参院選では前福岡県議・佐藤正夫氏が、同党公認で福岡選挙区に立候補。市区町村別得票数を見ると、福岡市では全区で3番手につけていた。県議選で、その票数がそのままスライドするとは思えないが、同党の新人が出馬すれば、少なからずチャンスがあることは言えるだろう。
ただし直近の世論調査を見る限り、みんなの党は参院選時に吹いた"風"も落ち着いてきた感が否めない。4月の統一地方選では、決して"風任せ"の選挙にはなりえないと言える。つまり、まったくの無名新人が十分な選挙準備も行なわないままポンと出てきても、勝てる見込みはない。
その厳しさは同党でも認識しているようで、すでに"不戦敗ムード"がただよう福岡県では、候補擁立に遅れをとった状況に対して、同党支持者から「A級戦犯は誰だ!」と、責任を追及する声もあがっている。
参院選時、『ホップ・ステップ・ジャンプ戦略』として、4月の統一地方選を飛躍への第2ステージに位置づけていた同党だが、福岡県議選に限ってはつまずいてしまいそうだ。
【山下 康太】
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