<これからの日本製品販売手法とは>
それでは、これから日本製品を中国で販売していくにはどうすればよいか。これまでの販売手法は代理店任せで、メイドインジャパンが売りで、富裕層をターゲットにするものばかりだったと思う。これからは代理店に頼らず、自分で売る努力をしてもらいたい。また、メイドインジャパンだけでは、もう通用しない。さらに付加価値をつける必要がある。先ほど掲げたようなカテゴリーに即したストーリーを売ることも大事だし、キーワードに結び付けることも大事だ。そして、富裕層にこだわらず、いろいろなターゲットの消費者に勇気を持って勝負してもらいたい。
中国において、日本の中小企業のイメージは実はあまり良くない。日本では、中小企業は優れたものづくりの技術を持っているというイメージだが、中国ではまったく逆で、「大手のニセモノを作っているのではないか?」、「品質や補償は大丈夫か?」、「流通が少ないので購入が面倒くさそう」といったネガティブイメージが多い。
そうした逆風のなかで、中小企業が成功するためには4コミ(口コミ、店コミ、街コミ、マスコミ)が重要だ。口コミは言うまでもないが、実際に店に置いてあることも大切だし、街でひんぱんに見かけることも、ひんぱんに広告を見かけることも大切だ。大手企業がとる戦術だが、資金がかかるので、中小企業には難しい。だから、徹底したエリアマーケティングを行ない、選択と集中でエリアナンバー1を目指す手法をしてほしい。
台湾に「85度」というカフェのチェーン店がある。2003年に設立し、08年に上海に1号店をオープンさせた。それからわずか1年半ほどしかたたない09年夏には、中国全土に74店舗を構えるまでに急成長している。このチェーンは3つのキーワードに集中することで、中国市場で成功を収めている。
その3つとは、「地下鉄」「オフィス」「朝食」だ。店の立地は地下鉄の駅沿線に特化している。しかも、駅の目の前では地代が高いので、地下鉄の駅から歩いて5分ぐらいのところに集中させている。コーヒー1杯は8元で、スターバックスコーヒーの3分の1程度だ。オフィスで働く女性を狙った点も秀逸だ。女性が朝、コーヒーを片手にオフィスに出勤していくシーンがおしゃれなトレンドとなっていて、客層の7割が女性だ。ちなみに85度とは、コーヒーが最もおいしい温度だそうで、徹底した4コミ戦略が奏功している好事例となっている。
【文・構成:杉本 尚大】
チャイナビジネスは地方の時代へ~元ヤオハングループ会長・和田一夫氏特別講演会
【日 時】 2月10日(木) 17:00~(会場受付16:30)
【会 場】 福岡国際会議場(福岡市博多区石城町2-1 TEL:092-262-4111)
【講 演】
17:00~17:30
中国全国人民大会 代表・中国民間商会 副会長
合肥市政府商務局使節団メッセンジャー
金 会慶 氏 「中国・安徽省の現状と可能性」
17:30~18:30
(株)和田総研 代表取締役社長(元ヤオハングループ会長)
和田一夫 氏 「チャイナビジネス成功の秘訣とは」
【懇親会】 18:45~20:00(両名も参加されます)
【会 費】 講演会5,000円(定員200名)
懇親会3,000円(限定150名、申込先着順)
※ご入金確認後、参加証をFAX致します。
【問合先】福岡アジアビジネス研究会事務局 矢野・楢﨑
(福岡市博多区中洲中島町2-3-8F、TEL:092-262-3388)
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