初心を忘れぬよう、敢えて古い社屋を残す企業もある。ただ、同社の場合は少し事情が異なるようだ。本社の裏手の広大な駐車場は、「林原モータープール」と称され、この土地には通称「ハヤシバラシティ」と呼ばれる大規模再開発構想が眠る。岡山駅にほど近い絶好の立地に45,000m2の巨大開発を行なうというスケールの大きさは、岡山における同社のポジションを明確に映し出しているように思われる。
もっとも、林原の本業は不動産開発ではなく、バイオであり製造業である。岡山駅から車で15分。同社工場には新旧2つのプラントが隣り合って操業していた。トレハロースの量産技術に見られように、同社の技術力に対する評価の声は高い。白煙をあげる同社工場と一面に広がる周囲の田畑のコントラストに、農業県としても有名な岡山の一面を垣間見ることができた。
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