<中国で成功するためには?>
第1に、本気で取り組めるかどうかが重要だ。やるのもリスクがあるが、受ける代理店もリスクがある。うまくいかないと代理店のせいにして、代理店を変えたがる業者もよくいるが、本気で取り組むという姿勢を見せる必要がある。
日本のマスコミが面白おかしく中国を取り上げて、ゆがんだ見方を増幅させているが、中国の人口ボリュームに惑わされてはいけない。中国にはさまざまな格差もある。1人っ子政策でぜいたく世代と揶揄されている80~90年代生まれの世代は、自分の知っていることはとことんがんばるが、知らないことには興味すら示さない。対日感情も世代によってさまざまだし、考え方も全然違う。世代格差は考えておかねばならない要素のひとつだ。また、学歴格差、所得格差、地域格差なども考慮に入れる必要がある。
94年に鄧小平が発した言葉で「1年一様、3年大変化」というものがある。中国の開発スピードは驚くほど早い。日本企業は総じて決断が遅いので、乗り遅れる可能性がある。言い換えれば、今からでも十分追いつけるということだ。
そして、日本特有のサービスという分野を大切にすることが大事だ。日本のものは何でも高いが、サービスの質の高さにおいては、中国が今のところ真似できていない分野だ。金を使うよりも気をつかって、サービスの分野を大切にすることが成功のカギを握ることになるだろう。
あとは、チャイナリスクを知ること。為替の問題、政治、労働法など、さまざまなリスクがつきまとうが、それ以外のリスクも多い。日本でしか経営したことがない人は、それだけでリスクだし、中国語ができないのは当然リスクになりうる。初対面の中国人とビジネスをやるのもリスクだし、中国人を最初から信頼していない日本人の意識の欠如もチャイナリスクのひとつだ。やはり最も大事なことは、どのビジネスでも同様だが、相手には少なくとも敬意を払うこと。一緒にビジネスをする中国人を尊重することが成功の近道となるだろう。
上海は2015年にディズニーランドがオープンする。日本のディズニーランドは83年にできた。雰囲気は80年代の日本に近い。中国の実質GDPは第2位になる見込みだが、2035年には、アメリカを抜くとも言われている。このような中国に対してビジネスを展開することの最大の魅力は、火がついたときの爆発力ではないかと思う。対中国ビジネスは、すごく魅力的なマーケットでの、夢のビジネスといってもいいかもしれない。
【文・構成:杉本 尚大】
チャイナビジネスは地方の時代へ~元ヤオハングループ会長・和田一夫氏特別講演会
【日 時】 2月10日(木) 17:00~(会場受付16:30)
【会 場】 福岡国際会議場(福岡市博多区石城町2-1 TEL:092-262-4111)
【講 演】
17:00~17:30
中国全国人民大会 代表・中国民間商会 副会長
合肥市政府商務局使節団メッセンジャー
金 会慶 氏 「中国・安徽省の現状と可能性」
17:30~18:30
(株)和田総研 代表取締役社長(元ヤオハングループ会長)
和田一夫 氏 「チャイナビジネス成功の秘訣とは」
【懇親会】 18:45~20:00(両名も参加されます)
【会 費】 講演会5,000円(定員200名)
懇親会3,000円(限定150名、申込先着順)
※ご入金確認後、参加証をFAX致します。
【問合先】福岡アジアビジネス研究会事務局 矢野・楢﨑
(福岡市博多区中洲中島町2-3-8F、TEL:092-262-3388)
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