福岡市議会議員 みらい福岡市議団 中央区選出 水城 四郎
＜地方分権のための財源確保＞
地方分権時代において、各自治体は財源を確保していくことが今後求められます。臨時財政対策債や地方交付税に頼っている部分を無くし（国の関与を外す）、地方が独自の活力によって新しい財源を生み出していかなければ『真の地方分権』には程遠いと言えるでしょう。残念ながらそういった政策論議は、今までの福岡にありませんでした。
そこで私が考え、10年前から訴えてきたのは、『観光都市・福岡』として、観光産業の収益を新たな財源にすることです。例えば、京都市を見れば分かるように、観光がすごい財源になっているわけで、「年間５千万人の観光客を呼ぶ」という政策目標を10年前から掲げているのです。福岡市も一刻も早く観光政策に取り組むことを私は主張してきました。観光振興は道路や観光案内板、福岡城などのインフラ投資を増やす理由になります。「観光客を呼ぶために街をきれいにする、治安を良くする」というアジェンダ（政策課題）に対して、様々な事業を打ち出すことができるようになるのです。こういった観光政策が地域を潤すと確信しています。
これを担い、すでに2003年に私が議会で実現させたものには、フィルムコミッション事業があります。具体的には「公共の財産である名所、史跡などを撮影現場に貸しなさい」という施策です。従来、東京で制作するドラマや映画、CMのロケ地はせいぜい京都止まりでした。「京都湯けむり殺人事件」などのサスペンスドラマですね。それが今では、阿蘇、鹿児島、福岡と、やっと九州まで来るようになりました。これによって現在は、福岡市内でも撮影が始まっていますが、まだロケ地を無償提供するだけで、PRのみに止まっています。それを私は、福岡の魅力を発信すると同時にさらに進めて財源化すべきと訴えているのです。
たとえば、ニューヨーク市は、消防と警察がハリウッド映画撮影に協力して道路を封鎖し、カーチェイスなどのロケを許可しています。完成した映画は世界に配信され、その興行収益金の一部が配当市税収入としてニューヨーク市の財源になっています。しかし本市では、私が議会で問うたところ、平成13年頃の時点で、海外からの撮影依頼が既に何件か来ていたにも関わらず、それを全部断っていました。なんともったいない。一方で、『アジア国際映画祭』をやっているわけです。税金を使って海外映画のPRの場を提供しておきながら、本市自身の真の情報発信力が弱いのです。
北海道の小樽市には、韓国や中国の観光客が大勢押しかけていました。数年前のある日本の映画がブームになって、それを観た人がロケ地の小樽市を訪れているからです。つまり、フィルムコミッション事業は、どこでどう化けるか分からない、観光に結びつく夢のある事業と言えます。
また観光地として福岡を活性化する為にも、今こそ我々は、歴史を正しく勉強するべきだと思います。福岡には「玄洋社」がありました。戦後のGHQの占領政策により廃止され、歴史教育の中でもタブーとなってしまいましたが、頭山満氏はアジア特に中国に貢献しています。辛亥革命を起こした孫文を手助けしているのです。そうした偉大な先人たちの足跡を掘り起こし、観光資源として活かすことも必要だと思います。
＜プロフィール＞
水城 四郎 （みずき しろう）
1969年生まれ。東福岡高校−日本体育大学卒−九州大学大学院法学府修士中退 民間企業で働く。96年、ミャンマー国連邦にて国連ボランティア活動。99年、29歳で福岡市議会議員選挙に初当選。現在３期目。09年米国務省個人招聘プログラムに抜擢、渡米して国土安全保障政策を学ぶ。フロリダ州ペンサコーラ市名誉市民賞を受ける。アマボクシングで日本３位、全九州チャンピオンになった経歴を持つ。趣味は、古武道剣術（福岡黒田藩伝、柳生新陰流兵法柳心会顧問）と読書。
＜事務所概要＞
所在地：福岡市中央区荒戸2-2-8 -1201
ＴＥＬ：092-711-3246
ＵＲＬ：http://www.mizuki46.jp/
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