(株)平川木材工業 代表取締役社長 平川 辰男
<「古さ」を価値として捕らえる良さを実感>
「ヨーロッパなどでは古さを価値として捕らえ、建物はメンテナンスを行なって長持ちさせている。イギリスなどは「家」の平均寿命が100年を超えている。日本も以前は手入れして長く持たせる心を持っていた。そして世界から勤勉な人種と言われてきました。それが、何時の頃からか、「家」に対する勤勉さを失ってきているようです」と嘆くのは、「株式会社 平川木材好評」の代表取締役社長・平川辰男氏。
日本の「家」の平均寿命は30年と言われているが、実際はもっと持つ。平川氏は「昔の住宅はかなり外装材として杉材を使用していました。しかも100年くらいは十分に長持ちしていたようです。湿気の腐食やシロアリなどの対策などが必要ですが、メンテナンスを十分にすれば、古さが持っている堂々としたその風格を出せるでしょう。しかし、今の日本人はなかなかメンテナンスしません。私の家は戦後建てた家で、すでに70年ほど経っていますが、外部には板を使っています。子どもの頃に、柿渋を塗る手伝いをしたのを覚えていますし、最近でも焼板に使っている塗料を塗りました」と、語るように相応の手を入れないと家は長年持たすことはできない。
「自然素材で」と叫びながら、「手入れは一切しない」では、長持ちしないのだ。「京都に行く機会があり、お寺の床を見ると、風雨を浴びて日光が当たるところは、割れが出ていたりするが、埋め補修したりしている。これが自然のモノを使うのだから当たり前なんです。京都は観光客がいつも多く『古い建物の風情があって良いね』と聞くが、誰での家でもこれは可能なんです」と平川氏が語るように、素材の良さと手入れを怠らなければ、京都の風情も、ヨーロッパなど感じる古さの価値も身近に手に入れることができる。
<自然素材である「木」は工業化できない>
異常気象に温暖化など、地球規模で地殻変動が起こり、全世界的にも環境保全が叫ばれている中で、その中心に位置するのが木材業界。暮らしの中で、自然の中で「木」と「人」との関係は切っても切れないほど結びついている。毎日のように「木」と接し、「木」を見ているのに、その性質や用途、利用価値については、まだまだ研究が進んでいない。
「木材の自然の特質を欠点扱いされる現代には木材業は厳しい限りではあるが、人間社会には必要なのだ、自然なものであるために、機械化されたもののように、寸分の狂いもなくつくることはできず、同じ色を出すこともできない。マンションを杉でリフォームされてアトピーが直った体験など、木の良さを実感した人は多数いる。しかし、『木』の特性と特長を理解して取り組んでいることができているのはまだ少ない。家を新築したりすると、豊かな木の香りが漂います。森林の中を歩く爽快感を感じます。この浄化機能は、呼吸によって不純物を木材内に取り込んでいき、何十年単位でこの機能を持続させていくとのことです。それに対し、炭などの浄化機能では、不純物が孔の入り口に吸着した時点で、その機能は終わってしまうそうです。天然の木材の良さと特長を理解して取り組むことが 貴重な財産であり、地球を守るためにも大きな存在である「木」を有効に活用し、無駄なく、しかも健康で快適な住生活を送るための製品作りが私に課せられた使命です」と平川氏が語る。
<プロフィール>
平川 辰男 (ひらかわ たつお)
1952年、福岡県生まれ。慶応大学卒業後、「丸紅木材」に勤務、「㈱平川木材工業」入社後、取締役を経て98年、同社代表取締役社長就任。2006年九州大学生物資源環境学府に合格、08年3月卒。『木』をこよなく愛し、『木』の研究開発を怠らず、木材のよさを生かすために、伝統的な日本の建築などの研究にも熱心。
<会社概要>
(株)平川木材工業
代表者:平川 辰男
所在地:福岡県うきは市浮羽町朝田572(本社)
設 立:1988年10月1日(創業:大正13年)
資本金:2,250万円
TEL:0943-77-3185
URL:http://www.hirakawa-mokuzai.co.jp/
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