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福岡への提言

また、韓国の脅威! 圧倒的DCB(デザインセンター釜山)(前)
福岡への提言
2011年2月15日 09:00
株式会社 環境デザイン機構 代表取締役 佐藤 俊郎

 韓国の脅威が、毎日の様に報道されています。一度は国家財政の破綻を経験した国が、なぜ、「脅威」と呼ばれるまでの存在となり得たのか。
 デザインの世界でも、かつて韓国でプレゼンテーションをするとスライド一式が行方不明になって、翌朝、コピーされて戻ってきたという話を聞くほど、日本が圧倒的なリードをしているという自負がありました。しかし、最近、ソウルを訪ねた友人のデザイナーは、もはや対等のレベルか、部分的には韓国のデザインが優れていると、嘆いていました。

<DCBへの視察>

DCB展示スペース入口 2月7日、デザインセンター釜山:DCB(2007年完成)を見学してきました。釜山市海雲台区セントムにある、地下3階、地上8階、延床面積7,080坪の規模は、天神パルコを想像してもらえれば、感覚的に理解してもらえると思います。KIP(韓国デザイン振興院)の管轄下に韓国全土、同じ様なセンターが3カ所創設されているそうです。まさに、国策としてデザインを位置づけ、その拠点整備としてDCBが位置づけられています。
 デザイン、特にプロダクトデザインと(工業製品デザイン)とコミュニケーションデザイン(画像、パッケージ、グラフィックなど)は、経済成長と密接に関連した分野と言えます。したがって、経済が活性化している国においてデザインが隆盛するのは当然の連鎖です。日本でも、戦後、アメリカを訪問した松下幸之助が「これからはデザインの時代だ!」と衝撃を受けて帰国し、その後、民間企業が独自の分野で、あるいは企業努力でデザインに力を入れて来ました。

DCB展示スペース 現在、多くのデザイナーがインハウス(企業内デザイナー)であるのは、この理由によるものです。つまり、国家が戦略として、あるいはデザインが文化の一部であると認識して、デザインの重要性を訴えて来た訳ではありません。
釜山のDCBに衝撃を受けるのは、ある意味で経済の「周回遅れの1等賞」で追いつこうとしている韓国が、デザインを国家戦略として位置づけ、企業の海外進出を含めデザインが極めて有効な付加価値を持つ文化的武器であることを認識していることです。

(つづく)

<プロフィール>
佐藤 俊郎 (さとう としろう)佐藤 俊郎 (さとう としろう)
1953年生まれ、九州芸術工科大学、UCLA(カリフォルニア大学)修士課程修了。アメリカで12年の建築・都市計画の実務を経て、92年に帰国。「株式会社環境デザイン機構」を設立し、現在に至る。「NPO FUKUOKAデザインリーグ」理事、「福岡デザイン専門学校」理事なども務める。

<会社概要>
(株)環境デザイン機構
代表者:大嶌 栄三/佐藤 俊郎
所在地:福岡市南区大橋2-2-1マルイビル2F
設 立:1994年12月
資本金:2,110万円
TEL:092-553-0560
URL:http://www.kankyo-dk.com/


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