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松下政経塾で培った"志を鍛える"こと~原口一博氏・岩崎芳太郎氏対談(2)
特別取材
2011年2月15日 07:00

原口一博氏、岩崎芳太郎氏

 岩崎 ありがとうございます。原口さんは少し前まで総務大臣で、今は閣外ですが、与党であるという点では日本国を経営する側でいらっしゃいます。それこそ松下幸之助さんは「経営の神様」と言われた人でございまして、そういう意味では経営側にいる立場として、今の日本の経営についてお聞かせください。

原口一博氏 原口 歴史で言うと、明治維新が終わった後にみんなが得手勝手なことを言って、幕藩体制から維新政府に移ってきて、という混乱している時代と同じだと思っています。それを収めたのが大久保利通です。つまり、我々はこれから統治のリーダーをつくらなければならない。いまは目先に敵を置いて、かつての古い政治手法を一部取り入れたかのように見えます。

 私は去年9月暴れすぎて、人によっては座敷牢に入れられていると言われますが、決してそうではありません。なぜ、国民の皆さんが政権交代をしろとおっしゃったのか。それは、税金の無駄をなくして、中央集権体制を変えるためです。いまはまだ混乱の時期ですから、これを早く収めなければなりません。

 
岩崎芳太郎氏. 岩崎 私なりに先生のおっしゃることを解釈するならば、既存の政治システムなり、社会システムをまず壊す時代があって、今はそれをつくる時代だけれども、それがいまいち混沌から脱し切れていないということだと思います。

 私も2年前に『地方を殺すのは誰か』という本を書きましたが、それはやはり鹿児島でバス会社などを経営するなかで、典型的な"負け組企業の経営者"として活動するなかで、死ぬほど苦労するなかで、固有の経営努力では克服できない日本の社会システムの変化の不公平性さを痛感して執筆にいたりました。

 中央集権官僚制度、中央大企業重点主義的な製造業を中心とする輸出大国政策。たしかに、戦争が終わって日本がボロボロになったなかで、この2つの制度・政策が諸外国と比べても最大のパフォーマンスを得て「ジャパン・アズ・ナンバーワン」になったことは間違いない。ですが、さきほど先生がおっしゃったように、ヨーロッパ・アメリカ連合軍は、日本が勝つとすぐにルールを変えます。もっとも典型的なのが、産業の骨の部分である金融です。これを変えられたがゆえに、日本がおかしくなっていきました。

(つづく)

【文・構成:編集長 大根田 康介】

※2月12日に行なわれた、(財)岩崎育英奨学会の「平成22年度政経マネジメント塾 第3回講座(シリーズテーマ『地域主権に必要な人材とは!』)」。今回のテーマは「格差の負のスパイラルからの脱却」。


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