香椎幼稚園(東区)の特色ある教育を紹介する香椎幼稚園新聞「なかよしひろば」の第8号が発行された。今号は、「未来につなげたい幼児教育その4」として『おもちつき』の行事を取り上げている。園児たちが種蒔き、田植え、稲刈りというもち米の栽培から脱穀・精米までを行ない、もちつきを行なう一連の様子を写真とともに紹介。昔から続くひとつひとつの行事を子どもたちに丁寧に伝えていくことを、同幼稚園教育の特徴のひとつとして説明されている。
香椎幼稚園は、2012年3月31日に閉園を予定している。50年以上に渡って続けられた地域と家族に密着した幼児教育は、高い評価を受けており、閉園を惜しむ教師や保護者をはじめとする地域住民が維持存続を訴えていた。
09年12月9日、保護者らで構成された香椎幼稚園維持存続運動委員会は、6万1,339名の署名とともに、閉園の理由となった福岡女子大改革基本計画について、その敷地使用計画の一部見直しを求める請願書を県議会議長あてに提出した。以来、この請願はずっと継続審議となっていたが、11年2月10日、取り下げの手続きが行なわれた。
今後、香椎幼稚園新聞を発行していく『なかよしひろば』制作委員会は、香椎幼稚園の魅力を再発見し、「なくしてはならない教育」としてアピールしていく考え。同新聞は福岡県立図書館にも常置されており、地域に愛された幼児教育の詳細を伝える貴重な資料となっている。
【山下 康太】
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