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福岡への提言

また、韓国の脅威! 圧倒的DCB(デザインセンター釜山)(後)
福岡への提言
2011年2月16日 07:00
株式会社 環境デザイン機構 代表取締役 佐藤 俊郎

<DCBの活動>

 設立から5年で、具体的な数字として成果が現れているわけではありませんが、地元釜山の中小企業にデザインの重要性を訴え、その実践の場としてDCBはデザイン支援を行ない、企画、デザイン(外部との連携)試作、広報といった一連の作業が行なえる、最新の設備を整えています。これまで、多くのデザインセンターが教育、啓発活動に力を入れている状況で、DCBは、より実務的アプローチを取っています。

DCB展示スペース 驚くべきは、DCBの一角にあるエリートデザイナー養成のシステムです。このBUG Brain Factoryでは、選抜された40名ほどのデザイン系学生が日常の大学の授業とは別に、英語でおこなわれる実践的な教育を受け、徹夜すら可能な施設は24時間、365日開放されています。つまり、韓国映画産業や芸能人を育成するのと同じ発想で、とにかく、英語を身につけ世界で勝負する一握りのエリートデザイナーが、道を切り開き、裾野を広げる。その後方支援をこのセンターが担う、という戦略が視覚化されています。優秀な卒業生にはDCBで事務所スペースが与えられ、世界一流をめざしていました。

<わが国がなすべき方向>

 20年ほど前、福岡でもデザインセンター設立の動きがありました。しかし、当時、バブル崩壊と「箱物」行政への批判のなかで、具体的な拠点づくりは行なわれませんでした。福岡で残念なことは、40年ほど前に全国で唯一のデザインに特化した「九州芸術工科大学」が創設されたにもかかわらず、福岡市も、県も、その重要性に気づく事なく、現在においても行政組織として「デザイン局」すら設置されていない現状にあることです。また、「デザイン都市」を宣言した神戸と名古屋、そして「創造的都市」として世界から注目されている横浜や金沢など他都市の後塵を拝していると言えます。

DCB展示スタジオ いまさら施設を創れというのではなく、DCBの建設予算が約50億円、運営費が6~10億円という規模は、仕分けを受けた「仕事館」が450億円の巨費をかけた"ムダ"であったことや県内にも多くの産業、工業試験場があること、あるいは市立、県立の教育施設の統廃合などを考えるに、同じ規模の活動が行なえるということではないでしょうか。また、韓国、中国も早晩、少子高齢化を迎え、そのデザインが求められて来ます。その時に、高齢者居住や医療介護、あるいは都市のユニバーサルデザインといった分野で、まだまだ、わが国が先進性を保てる分野があると思います。

(了)

<プロフィール>
佐藤 俊郎 (さとう としろう)佐藤 俊郎 (さとう としろう)
1953年生まれ、九州芸術工科大学、UCLA(カリフォルニア大学)修士課程修了。アメリカで12年の建築・都市計画の実務を経て、92年に帰国。「株式会社環境デザイン機構」を設立し、現在に至る。「NPO FUKUOKAデザインリーグ」理事、「福岡デザイン専門学校」理事なども務める。

<会社概要>
(株)環境デザイン機構
代表者:大嶌 栄三/佐藤 俊郎
所在地:福岡市南区大橋2-2-1マルイビル2F
設 立:1994年12月
資本金:2,110万円
TEL:092-553-0560
URL:http://www.kankyo-dk.com/


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