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福岡への提言

国と市町村の二層構造で行政サービスをもっと身近なものに~佐賀県武雄市・樋渡市長
福岡への提言
2011年2月16日 11:07
佐賀県武雄市 市長 樋渡 啓祐

<福岡市の各区長は公選制にすべき>

 2006年に総務省官僚から故郷・武雄市の市長に就任し現在2期目の樋渡啓祐氏。従来の行政の常識にはないプランを次々と打ち出し、全国的にも注目されている。武雄市役所の職員は約400人でお互い、顔を知ってのコミュニケーションが取れる。だから、市長のプランが朝に提示されると、すぐにスタッフは反応し、午後には実現している時も多いという。
 人口5万~10万人が自治体として動きやすいというのが樋渡氏の考えだ。「人口145万人の福岡市をひとりの市長で見るのは到底無理です。それを解決するには7つある区の区長を公選制にすることだと思います」と言い切る。区長を選挙で選び、市長並みの予算と権限を与える。そうすれば、市民の要望も敏感に感じ取れ、緻密な行政サービスが可能となる。いわば「武雄方式」を福岡でも実施するのだ。
 「県と市とふたつの行政組織がある必要はないでしょう。国と市だけの二層構造でいいのです。県を含めた三層構造にする必要はありません」(樋渡氏)。
 それが総務省官僚として12年間、行政に携わってきた経験から得られた結論であろう。
 また、「区長は、60歳定年を前にした職員の栄誉職ではいけません。先日、韓国・釜山の区長に会ったら名刺にMAYOR(市長)とある。理由を聞くと『まあいいじゃないか』と笑っていました」という。むしろ、地域ごとの管理職に権限のないことのほうが異例なのかもしれない。

<リスクを省みない行政の挑戦>

いつでも会議が行なえるように 円卓状に机を並べる市の営業部 樋渡氏はこれまでイノシシ駆除とその食肉をブランド化する「いのしし課」や島田洋七のベストセラーのロケ誘致をする「佐賀のがばいばあちゃん課」を創設するなどユニークな市政を行なってきた。それらはすべて増収を目的とした市の「営業部」の管轄である。一方で樋渡氏は、議会をネット中継し自分のブログやWEBサービス「Twitter(ツイッター)」で意見を公開するなどITを自在にあやつる。また、全国に先駆けてiPadを小学校教育に取り入れるなど、思いついたらすぐ行動に移している。
 2006年、市長に就任するとすぐに開業以来赤字に悩んでいた武雄市民病院の改革に着手した。しかし、反対団体のリコールが始まると即座に市長を辞任。民意を得て再選し、同病院の民営化を実現した。現在は、「新武雄病院」として「社団法人 巨樹の会」が運営し、救急医療に重点を置いた地域の中核病院として、医師が24時間365日の体制で対応している。さらに緊急時にはドクターヘリコプター「ホワイトバード」が福岡から飛んでくるようになっている。
 この型破りな、言わばベンチャー市長・樋渡氏の下には、中途採用の市職員として佐賀県庁や総務省キャリアなどから、優秀な人材が集まって来ている。そのなかのひとり、総務官僚だった34歳の職員は、福岡市役所に出向し、NPO支援をしていた。その職員も「福岡市には1万人もの職員がいますが、その一人ひとりの意識は高く、恐らく全国でもトップレベルでしょう。しかしながら、これまで成功が続いたため、職員に危機感が薄い。また、組織が大きく仕事の手応えを感じていない」と指摘する。小さな武雄市からは巨大な福岡市の弱点が的確に見えるのかもしれない。

<プロフィール>
樋渡 啓祐樋渡 啓祐 (ひわたし けいすけ)
1969年11月18日、佐賀県武雄市朝日町生まれ。東京大学経済学部を卒業し、94年、総務庁(現、総務省)入局。官房長官官房総務課などを経て、05年、総務省大臣官房秘書課課長補佐で退職。06年、合併後の新・武雄市における初代市長に当選。08年、市民病院の公設民営化に伴い辞職するも再選し、現在に至る。

<市役所概要>
武雄市役所
所在地:佐賀県武雄市武雄町大字昭和1-1
TEL:0954-23-9311
URL:http://www.city.takeo.lg.jp/

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