(株)HRK 代表取締役 岩本 初恵 氏
並み居る九州通販企業のなかで急成長を続けている(株)HRK(福岡県那珂川町)。「女性を元気に」をコンセプトに、顧客に喜ばれる独特のマーケティング手法で急成長を遂げた。同社代表取締役である岩本初恵氏は、経営者である一方で、ラジオのパーソナリティーやセミナー講師、作家という顔を持ち、多忙を極めている。今回、同氏の事業への取り組みについてお話を聞いた。
<「女性を元気にしたい」それが一番の目的>
―昨年は大変飛躍した年になりましたね。振り返っていかがでしたか。
岩本 2010年はおかげさまで、業績では最高の年になりました。
私は現場主義なのですが、昨年はラジオのパーソナリティーなどのメディア活動やいろいろな企業の講演、さらには本の執筆など、課外活動が多かったんです。移動中の空港で多くの方々に声をかけていただくなど、外に出るたびに弊社の認知度が広がっているのを実感しましたね。
それまでは、企業が弊社に興味を持って訪問されるということはあったのですが、昨年は一般の消費者―とくに女性の方に多くの関心を寄せていただいたことで嬉しく思っています。これは、私が望んでいたことでもありましたので。
―「女性のサポート」は、御社のコンセプトでもありますしね。
岩本 もともと企業を大きくしていくというよりも、「女性を元気にしたい」という目的で会社を立ち上げました。先祖やお年寄り、子どもの面倒を見ているのは女性なんですよね。その女性が元気でいないと、老人や子どものお守りを含め、生活や社会に至るまで大変になります。
そうならないために、「女性を元気にさせるのが一番の薬」というのが私の考えです。いま販売している健康食品についても、子どもたち、孫たちの次世代につながるような商品作りを心がけています。
―そういう意味では、その考えは社員教育にも表れているようですね。
岩本 私は社員に、「人の役に立つにはどうしたら良いか」「どうしたらお客さまが喜んでくれるのか」を考えさせています。とくに「商品をつくったり、販売したり、経営するプロになる前に、人の心が読めるプロになりなさい」と常々話しています。それは、お客さまをはじめ、社員同士の心を察することのできるプロが、この通販業界で生き残る大事なポイントだと思っているからです。
会社を立ち上げて13年以上になりますが、お客さまを喜ばせるためには、まず、社員を元気にさせることが大事だと思い、無料の社員食堂や託児所の設置など、仕事をしやすい環境をつくっています。また、目先の数字にとらわれずに、時間はかかってもお客さまに喜ばれる製品をつくり、丁寧に販売していくなどといった、仕事の大事さを教える勉強会を早朝に開いています。そうして取り組んでいけば、黙っていてもお客さまは評価して、数字は付いてくるものと思っていますから。いわば、ボランティア的な事業ですよね。
弊社は、製品開発からコールセンター、物流まですべて自社で行なっていますが、それぞれの部門の社員をはじめ、アルバイトやパートに至るまで「お客さまに喜ばれるようなサービスを」というモチベーションが高く、結果として好業績に結びついていると思います。
―その結果が、リピート率98%という驚異的な数字に表れています。
岩本 テレビCMを始めてから、急激に増えましたね。通販のリピート率は平均で13%と言われていますけれど、主力のコラーゲンゼリー「うるおい宣言」やダイエット系の「すらっと宣言」など、各アイテムともバランスよく売れています。とくに、「すらっと宣言」は注文が殺到して製造が追いつかず、お客さまには少しお待ちいただいているほど好調です。
定期購入の年齢層も16歳から90歳代までと、幅広くご愛顧していただいています。実は、98%のリピート率というのは、残りの2%というのが亡くなられた方なのです。そのため、非常に高いご支持をいただいているようです。
【小山 仁】
<プロフィール>
岩本 初恵(いわもと はつえ)
1961年生まれ、佐賀県唐津市出身。(株)HRK代表取締役を務めるかたわら、トータルライフアドバイザーとしても活躍。また、9年間ラジオのパーソナリティーとして9局で人気番組を受け持ち、全国誌でも連載コーナーを務めるなど、女性を元気にする言葉を発信している。
(株)HRK
所在地:福岡県筑紫郡那珂川町今光6-23
設 立:1998年10月
資本金:3,000万円
売上高:(10/9)約80億円
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