岩崎 そういう意味ではいま若い方、子どもをひっくるめて、このへんに早く情報インフラを整備して、極めてインタラクティブなかたちでいろいろな人間とのコミュニケーションができる状況をつくることが、現状の地方のハンディをリカバーすることができるというお話はすごく賛同します。
しかし、私は先生と違ってiPadが使えません。私の息子や娘はフェイスブックとかでテレビ会議などで離れた友人と交信していますが、私はiPhoneも持っていません。地方でいくと、少し高齢者が多いという一昔前の状況のなかで、インフラ整備における利用者としての高齢者のデジタルディバイドについてはどのようにお考えですか。
原口 ディバイドが生まれているのは、何が悪いかというと機械が悪いんです。それは国民が悪いわけでは全然ないんです。たとえば、スタートレックのようなコンピューターがあれば、誰だって苦労しないんです。まだ入力などに苦労しているのは、こっち(機械)側が悪いんです。
皆さんのお手元には資料をお配りしていますが、脳情報通信の融合研究というのをいまやっていて、人間側が苦労しなくても、機械側が苦労してくれるという環境を急速に整えつつあります。知らないうちに、コンピューターはもう隣にあるわけで、今度の「光の道三法案」は何をやるかというと、遠隔医療や遠隔相談をやるためには規制がいっぱいあり、これを一括でとっぱらうための法律をつくるということです。それから電波もそうです。日本の電波は、高速道路のなかにリアカーの道とか自転車道とか、いっぱいあったんです。それを今回全部除けて、きれいな高速道路にして国民に渡します。
やっぱり政治側の努力の話なんです。国民はそれを努力するよりも、お互いがお互いを支える、励ましあう方に力を入れるのがよほど生産的です。
【文・構成:編集長 大根田 康介】
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