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福岡への提言

巡航速度の経営を支えるのは経験抱負な社員の存在～（株）九州リースサービス・藤丸社長

福岡への提言

2011年2月21日 13:00

（株）九州リースサービス　代表取締役社長　藤丸　修

　2010年６月、「株式会社九州リースサービス」の新社長に藤丸修氏が就任し、前社長の榎本重孝氏は会長となった。銀行マンとして長年培ってきたノウハウと人脈を活かし、同社のさらなる成長を目指す藤丸新社長に、現在の心境と今後の展開について語ってもらった。

＜総合力から一点集中へ＞

　私が以前お世話になっていた西日本シティ銀行の久保田勇夫頭取は「総合金融力を強めること」を強調されています。従来の貸金業務だけでは勝負できない、保険業務や証券業務など総合的な金融業務をこなせる力を身につけて総合金融力で勝負したい、という考えです。
　そのひとつが「西日本シティTT証券株式会社」の設立でしょう。また、韓国や中国などの金融機関との提携も進めておられるようです。さらに、最近も積極的に講演などを行なっておられ、そうした頭取自らの活動も銀行にとってプラスになっていると思います。
本社があるのは博多駅近くの住吉通り沿い　一方、私は、弊社事業の３本柱である「不動産」「ファイナンス」「リース」のうち、「リース」の柱を太くし、他の２本はどちらかというと抑制することによって、営業資産1,000～1,100億円くらいで経営の安定化を図っていこうと考えています。
　今回、代表取締役社長を拝命するにあたり、榎本会長の意向は「経営内容もずいぶん改善されてきたので、巡航速度の経営に変わってもよい」ということだと思います。その意向をくみ取り、今後の経営を考えました。

＜リース事業に注力し顧客拡大＞

　現在のところ３つの事業は、営業資産ベースでおおむね３分の１ずつ。トータルで営業資産1,100億円を少し切るくらいです。リースを伸ばすためには、新しい取引先を拡大していきたいと思います。
　当然、西日本シティ銀行の取引先も多いのですが、それを脱皮して顧客を広げていきます。私も福岡で仕事してきましたから、今までの人脈を最大限活かして、取引先を広げていきたいと考えています。企業数を増やせば、全体としてリースによる設備投資が減っていても、上乗せが図れます。今まであまりリースを利用されていない会社もけっこうあります。リース業界全体が、そこまで間口を広げていない分野もあると思うのです。
　たとえば、自動車や機械のリースはありましたが、スーパーであればショーケースなどもリースできるわけです。そのように今まであまり手掛けられていないところを広げていくことで、リースの安定的拡大が可能だと思います。商売をされているところにはどこにでもリースのネタがあります。それを自己資金、銀行融資、リースのいずれでやるかは、お客さまの選択次第です。
　一方で、まだ就任間もないですが、一緒に仕事をしていく社員たちを頼もしく思っています。皆すごく優秀です。仕事もさばけていますし、スキルが非常に高いため応用力が強い、対応が早い。その高い能力は、永年厳しい環境の時代も経験し、必死になってやってきた結果です。経験が人をよく育てたと思います。間違いなく、弊社を支えているのは彼らの存在です。

＜プロフィール＞
藤丸　修（ふじまる　おさむ）
1944年10 月、福岡県生まれ。九州大学経済学部卒業後、67年４月に「（株）西日本相互銀行（現（株）西日本シティ銀行）」入行。総合企画部長、取締役本店営業部長などを経て、02年６月に同行専務取締役に就任。04年６月に同行を退任し「（株）エフエム福岡」副社長、05年６月には同社代表取締役社長に就任。今年６月、「（株）九州リースサービス」代表取締役社長に就任した。