指定暴力団工藤会が所有する北九州市小倉南区上貫の事務所、通称「長野会館」が北九州市で病院や介護施設を経営する医療法人へ売却されることが判明した。
昨年1月頃、工藤会はこの事務所を購入、門には「四代目工藤会長野会館」の看板が掲げられ、県警によれば組員の出入りが確認されていた。新たな暴力団事務所の開設に対して地元住民らは暴追運動を強化したところ、昨年3月に暴追運動のリーダー宅に銃弾が撃ち込まれる事件が発生。緊張感が高まるとともに、行政・県警などと連携をし、さらなる暴追運動の機運が高まった背景がある。そのようななか、高齢者福祉施設の建設を計画する医療法人が事務所の売却先として名前が挙がり、交渉を続けていた。
県が開設を許可したことで、工藤会と医療法人との間で売買契約が成立した。関係筋によれば、売買価格は1億数千万円と見られる。
近隣の住民からは「小学生の通学路だっただけに、まずはひと安心」といったコメントが得られた。