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2011統一地方選挙

福岡財界に侮られた県政界の反撃~知事候補者選定、混迷の理由(上)
2011統一地方選挙
2011年2月 2日 10:10

 自民党の知事候補者の選定が難航している。先月30日の15時から開催された自民党の知事選候補者の選定委員会では結局、候補者を決定できず次回2月5日に持ち越しとなった。蔵内勇夫、小川洋、谷口博文の三氏が公認願いを出しているものの、それぞれに支持者が分れたこともあり、武田良太選考委員長は結論を先送りにした。時間が迫るなか、もつれにもつれているのはなぜか―。

自民党福岡県連事務所 そもそも今回の知事選を控えた昨年夏あたりから候補者の選定がもつれることは予想できた。多選批判を受けたことと中島副知事の逮捕問題を受け、続投への意欲も一時は見せていた麻生渡知事が引退を表明し、候補者選びが始まった。
しかし、4期16年にわたって県政を主導してきた麻生渡知事の後任を誰にするか、これは簡単な課題ではない。しかも政界中央では、菅直人首相率いる民主党政権が小沢起訴問題を抱え、また参議院では少数に転落したことで国会運営が行き詰まり、予算案の通過も覚束ない。与野党の対立は激化、いつ解散となってもおかしくない状況だ。知事選にこの対立の構図が持ち込まれることを嫌う人たちがいた。いわゆる福岡県の財界主流と麻生渡知事である。対立的な選挙になれば財界もまた態度を明確にしなければならない。
 民主党政権の成立とともに自民党とも民主党ともパイプを持って自らの利害を貫いてきた財界としては、それは避けたいという考えが主流となっている。そしてまた後継候補に影響力を残したい麻生知事もその選定に絡み、できるだけ選挙にならないことを望んだ。こうして統一候補を選定する案が浮上した。

 昨秋、知事と財界は、自らが考えた案に基づき県議会の最大党派である自民党に候補者の選定を四会派で話し合って決めるように依頼した。この時の相手が自民党県議団の団長を務める実力者・蔵内勇夫氏である。自民党の呼びかけで四会派がテーブルにつき候補者の選定作業が始まったものの、ここで意外な事態が発覚した。統一候補を選ぶことを要請した財界と麻生知事が、候補者選定の結果を待たずして小川洋氏を知事選挙の候補者にしようと動き始めたのである。しかも、麻生太郎元首相に、自分たちが推す小川洋氏がなることは決定的という情報を流し、小川氏の後見人に仕立て上げるというオマケもつけて。

 早すぎた擁立運動には理由がある。小川洋氏の出身官庁である経済産業省が省の全力を挙げて小川洋擁立を働きかけたからだ。事務次官自らが音頭をとって九州・福岡の財界に「小川洋氏を候補者に」と圧力をかけたのである。もちろん福岡県庁の商工課なども彼らの威勢につきしたがった。中央にいる彼らにすればそこまでやればもう壊れることはない、という自信があった。しかも後見人は麻生太郎氏である。県会議員が従うのは、当然と思ったのだ。経済産業省の思い込みが結果的に県政界軽視へとつながってしまった。統一候補者選びが知事選前の単なるセレモニーのようなものへと落とし込められたのである。

【勢野 進】


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