朝日新聞はいつから権力の走狗に成り下がったのだろう。
任期満了に伴う4月の福岡県知事選の報道をめぐり、朝日新聞の誤報が続いている。今月10日の朝刊では、自民党福岡県連が知事選候補者選考委員会で擁立を決めた蔵内勇夫県議について、自民党関係者の話として「体調不良」「健康上の理由から推薦を辞退」と明記。しかし、当の蔵内氏はいたって元気だった。さらに11日朝刊では、「蔵内氏はすでに不出馬の意向を固め」とまで踏み込んだ。12日には、知事選候補の擁立劇は終わったとばかり、検証記事まで掲載している。
データ・マックス取材班が確認したところ、蔵内氏は、「体調不良」でもなく「健康上の理由から推薦を辞退する」などといった内容は一言も発していなかったことが明らかとなっている。もちろん同氏が朝日新聞に対し、「不出馬の意向を固め」などと発言した事実もないという。明らかな誤報である。
驚いたことに、朝日新聞は蔵内氏本人への事実確認を行なっていない。つまり、きちんと裏取りもせず、誰かに聞いた話をそのまま書いたということだ。
新聞を読んだある蔵内氏の知人は「病気なら(出馬断念は)仕方がない」(福岡市の会社社長)と思っていたという。
誤報の事実を知った関係者からは、朝日新聞の姿勢に憤りの声が上がる。「本人に確認もせず、記事が書けるのか。政治家の体調は政治生命に直結するものだろう。朝日新聞は故意に小川有利を演出しているとしか思えない」(久留米市の会社員)。
たしかに新聞記事は、記者からキャップ、さらに担当デスクなどと、何度も厳しいチェックが行なわれる。本人に確認できていない段階で、聞いた話をそのまま記事にしたのでは、社内体制のお粗末としか言いようがない。故意に小川氏擁立の流れを作ろうとしていると見られても仕方がない状況だ。
「院政」実現になりふり構わぬ麻生渡知事や、自民党総裁まで務めながら自党のルールに従わない坊ちゃん・麻生太郎氏らは、経済界を抱きこみ元内閣広報官・小川洋氏の擁立に邁進中。そして、最近の朝日新聞の知事選に関する論調は、小川知事実現に協力しているとしか思えないものだった。明らかな誤報は何を意味しているのだろう。朝日は「反権力」の砦だと思っていたが、どうやら間違いだったようだ。
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