20日の住民投票によって、市議会の解散が決まった鹿児島県阿久根市。同日夜、開票結果が出た後、市議会解散を市民へ呼びかけていた竹原信一前市長と同氏を支持する前市議の石澤正彰氏、山田勝氏は、記者会見で報道陣からの質問に答えた。そのなかで竹原氏は、政治の現状におけるマスコミの責任に言及。「良心と正義感のある報道を!」と訴えた。その内容を紹介する。
記者会見は、住民投票についての3名それぞれの見解から始まった。(敬称略、括弧内は記者による補足)。
山田 市民が、市議会と竹原前市長の問題は、双方に責任があると思っていた。議会が今まで市民のための改革をずっと反対してきたということへのすごい批判もあったと思う。先日の議会で、ほとんどの改革が元に戻る。特に議員の報酬なんて、また元に戻すなんて考えられない。そういう現在の議会に市民の不信感があった。住民のみなさん方が「議会をなんとかせないかん」ということで1年半前から一生懸命リコールの準備をしていたことも大きな勝因だと思います。(今後も)よくなると信じて頑張っていきたい。
石澤 竹原前市長が失職させられた。これに対し阿久根市民が危機感を抱いた。それと名古屋が3連勝しましたね。それが追い風になった。今、山田さんが言いましたが、阿久根市議会が日当制から月給制へ返ってしまった。市民のみなさまからすれば「なんじゃあ?」という思いがあったと思います。あげればその3つかなと思っています。
竹原 このふたりは今回で失職した。失職して「ありがとうございました」という議員です。「失職させないでください」と言ってしがみついた議員12名。全然違うじゃないですか。このものすごい落差を、市民はまだまったく分かっていないです。格差を、市民の暮らしなんか関係ないという人たちをまだ信じている市民が、少なからずいる。とんでもないことですよ、これ。本当に、深く深く市民はだまされていると思います。本当のことをみなさんが知ったら、エジプトじゃないけど、暴動が起きてもおかしくないんですよ、この国は。みなさんの報道に責任がありますよ。
ちゃんと本当のことを正しく伝えていれば、この国はこんな様にはならない。正義感のない報道をしていませんか! みなさんにはそれを求めたい。公務員に対しても、報道関係者に対しても正義感が欲しい。良心を、取り戻して欲しい。
社会のために、次の世代のためにどんな報道をしたらいいか。自分自身に問うて欲しい。
あなた方が変われば国は変わる。国会議員のせいなんかにするんじゃない。みなさんが、政治家を決めているんでしょ。政治家の態度を決めているんでしょ。会社から言われるとおりしか書けない。ダメ、そんなことしたら。こどもたちへの責任はどうするんだ。あなたたちだよ。良心のない、正義感のない報道が、この国をつくっている! ダメにしてきているのは報道の関係者です。自分自身に問うて下さい。
【山下 康太】
*記事へのご意見はこちら