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コダマの核心

人それぞれ、ビジネス人生の結末は(36)~負け犬の遠吠えではない、潰れても悔いはない(前)
コダマの核心
2011年3月 4日 18:35

名島産業建設 於保政美社長

<経営資源はあるものの運尽きる>

 名島産業建設に関してはこの6カ月間、信用不安が流布されてきた。だから2月28日に不渡りが起きても驚くことではなかった。於保社長が日頃の粘り腰を発揮していれば不渡り回避も可能であったろうが、後述するが事業継続の執念が薄れるなかで運尽きたという感じの不渡り劇だった。だから普通ならば「もう一度、再起に頑張って!」という励みの声をかけるのだが、そうしなかった。「迷惑を最小限にする手立てして清算して引退しましょうや。72歳だし」と勧告したのだ。そうしたら直に本人も「そうするつもりだ。老兵は消えるのみ」と返事をしてきた。

 しかし、本当に残念な結末になってしまった。建設汚泥の再資源化により製造されている再生材『N―ライト』は業界で一番、注目されている。同社はこの強力な商品を持っているのだ。加えること、九州大学元岡キャンパスに隣接した場所に6万坪におよぶ不動産を有している。売却寸前まできて流れた。商品と借入を返済できる不動産を所有しながら危機を突破できなかったことは不運としか言いようがない。あらゆる策を講じてきた於保社長本人自身がよくわかっていることだ。「運尽きた」と察知している。

<本筋を通す経営者>

名島産業建設 於保政美社長 同社は1972年に設立したから2010年12月期が39期の決算になる。個人創業は1965年4月だから於保社長は46年も経営をしてきたのだ。また『名島』という商号の由来は奥さんの薫女史が「名島で生まれ育ったところ」にある。このことからも非常な愛妻家であったことがわかる。名島産業建設の絶頂期は平成初頭であった(平成6年頃)。ピーク時は、5~6億円の法人所得を出していた。当時、筆者は月間経済雑誌の事業部長に就いていたのだが、毎月1P広告(25万円)の協賛をお願いしていた。

 振り返るに「絶好調の時点で税務・財務対策の巧妙化の策が欲しかった」となる。於保社長に対する評価は両極端である。理路整然と相手を攻め上げるので恨みを買うこともあった。「於保社長!!貴方に扱(シゴ)かれた役人たちが『ざまあ見ろ!』と拍手喝采をしているですバイ」と話したら「そうだろなー、市役所の某部長などは美味しい酒を飲んだことだろう」と、まったく意に介しない。

 この社長ほど、産業廃棄物処理業界のレベルアップに貢献した人はいないだろう。「世間からわれわれの業界を脱法者集団と見られるのが、とてもたまらなかった。社会規範内で商売しなければいつかは社会的制裁を受けるぞ。だから汚泥のリサイクルを通じてお役に立ちたい」と日頃から口酸っぱく説いていた。だからこそ悪辣業者への行政指導が手緩いと役人たちへ怒りの追及をなしてきたのである。
 
 一方では汚泥のリサイクルの商品改革には没頭してきた。結果として九大との共同研究でCO2を吸収する再生材『N-ライト』を開発した。この再生材の活用を行政に認定させたことでスーパーゼネコンから注文が増えるようになってきたのである。

(つづく)

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