7日、統合幕僚監部は、同日13時25分頃、東シナ海中部海域で警戒監視中であった護衛艦「さみだれ」に対して中国のヘリコプターが近接飛行を行なったと発表した。
海域は、付近にガス田がある日中中間線付近。近接したヘリは中国国家海洋局のものであるという。中国ヘリは、護衛艦に対し、水平約70メートル、垂直約40メートルの距離に接近し、1周ほど周回した。
昨年(2010年)4月にも、中国海軍ヘリによる海上自衛隊の護衛艦に対する近接飛行が2回行なわれており、また、今月2日には、中国海軍の哨戒機型Y-8と情報収集機型Y-8が、尖閣諸島付近を飛行するという事案が発生した。
今までの近接飛行を正当化する中国政府の対応および今回の事案を見る限り、海上自衛隊の警戒監視行動は完全に侮られているといっても過言ではない。問題となった飛行行為が、政府からの指示によるものか、現場サイドの独断によるものかはともかく、「手が出せない護衛艦」は"張子の虎"としか思われていないのではないだろうか。
【山下 康太】
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら