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福岡への提言

「住んでいて心地良い物件」を～（株）サンアクア・三明社長

福岡への提言

2011年3月 9日 13:00

（株）サンアクア　代表取締役社長　三明　宏一

＜独立・会社設立までの経緯＞

　もともと三明宏一社長は福岡県飯塚市で生まれ、実家は建築業を営んでいたが、父との親子ゲンカが発端となり19才で家を飛び出した。「まったく違う土地で働こう」と決意し、「佐川急便㈱福岡支社」で６年間勤めた。給料はよかったものの、自身の仕事について再考。意を決して職を辞し、職業訓練校に１年間通った。
　それから仕事先を探しているとき、ふと不動産営業の求人情報に目がとまった。「営業には自信があるし、不動産業なら昔よりも稼げるはずだ。収入も落とさないで済むし、家族も養っていける」と感じ、「（株）ダイナ」に入社して不動産業界に飛び込んだ。三明社長は「実家の関係もあっていつか建築・不動産系の仕事につくか
もとは感じていました」と当時を述懐する。
　佐川急便では対面営業だったが、ダイナでは電話営業が中心だった。「とまどいはありましたが、すぐに馴染みました。とは言っても、営業成績は中の中でしたけどね」。朝から晩まで電話アポ。一般個人相手に月8,000件もの電話をかけ、そのなかで２、３件の契約をとっていった。その後、「（株）アイ・アンド・アイ福岡」に転職し、これまで培ってきた営業力を振るってきた。
サンアクア新事務所入り口　そんな三明社長に転機が訪れた。「さらに大きな挑戦をしたい」と決意し、2008年11月末に会社を辞め、翌12月４日に投資型マンション販売を手掛ける「株式会社サンアクア」を設立。「よりスキルアップしたくて環境を変えたかった。会社を辞める２年前くらいから自分でやりたいという気持ちが芽生えていた」という。

＜不動産業界の変化に対する工夫＞

　三明社長は、今後の福岡の不動産業界について「在庫が無くなっていく時代」だと見ている。「これまでの在庫調整はおおむね終わりました。となると、物件を新たに開発しなければなりませんが、資金調達が難しいこともあって新規物件は無くなっていくでしょう。そうなると、ライバルではありますが販社同士が互いに親密な関係を持ち情報交換していく必要があります」。
　2009年12月、自社プロジェクトでは初となる投資型マンション「SUN・NESTPIA（サン・ネストピア）箱崎駅前」の販売を開始した。三明社長は「弊社だけで販売するのは難しいので、『（株）ネスト』の新井晋一社長と話し合い、今回のかたちを決めました」と語る。
　業界の将来については、「今後、博多や天神などの都心から少し離れた１LDKや２LDKで家賃７万円前後、単身も新婚も住める新築物件が流行るでしょう。賃貸は頭打ちで中古物件も増えます。対抗するには、たとえば高齢者向けのバリアフリーや、アジア人の裕福な家庭の留学生を受け入れるなどの工夫が必要です」と話す。
　福岡は中古市場が弱く、新築を買っても売るときは二束三文になってしまう。「中古相場が高くなれば、そこに新しい市場が創出され、投資物件の不動産価値も向上するでしょう。また、作って売るだけの時代も終わりました。私どもはこれからも、『住んでいて心地良い物件』を企画販売していきたい」と三明社長は話す。
　３月７日、同社は事務所を移転し気持ちを一新した。福岡の不動産業界に、社名のごとく"太陽のような光と水のような潤い"を与えることを期待したい。

＜プロフィール＞
三明　宏一（みあけ　こういち）
福岡県飯塚市生まれ。
学卒後「佐川急便（株）　福岡支店」入社。
1995年、「（株）ダイナ」入社。
2000年、「（株）アイ・アンド・アイ福岡」入社。
2008年、「（株）サンアクア」設立。
現在、同社代表取締役社長。