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コダマの核心

地獄からの生還、驚異的な再生へ(中)
コダマの核心
2011年3月16日 07:00

<都市機能の弱体さの露呈>

 地震が襲った11日(金)、弊社の東京支店の社員たちは自宅に帰れなかったそうだ。あらゆる交通がストップしたからだ。14日(月)の朝は、電車の間引き運転でようやく10時に出社した。こういう話はたくさんある。たとえば14日、ある会社の東京支店のメンバーは、うち4割しか会社に出て来られなかったとか。電気の供給削減は、都市圏の電車稼働量を抑えることになる。労組のストライキでもないのに、間引き運転を余儀なくされる。長期化しそうだ。

 東京の姉から、「懐中電灯を送ってくれ。まったくないから」と、困惑した声で命令が下った。何でもスーパーマーケットからは、日用品から米まで消えているとか。皆さんが、先行きの不安を抱いて、買い占めに走られているのだ。さっそく、姉の命令を実行しようと14日の夜、福岡の店に行ってみた。ところが、だ。懐中電灯がないのはまだわかるが、あらゆる物が品薄になっているのである。米までないのには驚いた。ここ福岡の地にまで、買い占め行動が連鎖していたのだ。

<工場の外国移転が加速化するか!!>

 「ジャストインタイム」のシステムを構築したのが、トヨタである。「無駄な在庫は抱えない。必要なものを必要なときに調達する」ことこそが、究極の効率経営であった。だがしかし、平時のときは見本になるが、有事の際はまるで無力。神戸阪神大地震の際に、その無力さを立証した。今回の地獄のような大地震においても、資材・原材料が入らない。物流の道筋も粉砕されている。工場を休業するしか、方策がない。3月一杯閉鎖という程度には、終わらないであろう。
 トヨタを始めとした車メーカーは、生産のリスクヘッジのために、東北地区に工場を設置した。その試みは正当だったはずであったのだが、裏目に出てしまった。工場の生産活動が再開されるまでには、かなりの時間を要するであろう。さらに、ここに電気の供給ストップがプラスされると、懸念される最悪の事態にもなりかねない。製造業の工場が国外に移転する動きが、加速化してしまうことだ。「日本では電気事情が悪くて、計画的生産が困難だ。だから海外へ移す」となりかねない。笑ってしまう。

(つづく)

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