<たくましい復元力>
後々、2011年『東北地方太平洋沖地震』を振り返って「地震発生から6日経過した11年3月16日から復興支援活動が本格化した」と記されるであろう。やはり日本人の復元力は凄い。非常時の団結力を誇示して「被災者を一刻もはやく救助しよう」と各方面で支援活動のエンジンがかかってきた。そのうち道路、港、空港などの整備の目途がつき、米、ガソリン、日用品なども差し迫った量の確保は可能になるであろう。
昨晩、TVニュースでローソン本社における対策会議を見た。「握り飯の供給が切実かつ緊急の課題だ。関西の工場でつくれば1日10万食は提供できるぞ。山形空港まで飛ばしてそこからなんとか陸路で届けろ」という議論がなされていた。この光景を目の当たりにして涙がでた。ローソンだけではないだろう。あらゆる企業が数ある英知を振り絞って全力投球していたはずだ。いまだ他人事でいる東京電力の社長は獄中に追い込まなくてはいけない(罪名:経営者社会的責任放棄罪)。時間はかかるが、必ず復活できる。
<10のイベントのキャンセル>
ところが一方では嫌な動きがある。「地震被災者に申し訳ないからいろいろなイベントを差し控える」という異常な反応の社会世相である。確かに16年目の阪神大地震においても同じ動きがあった。「本当に地震被災者に申し訳ない」と思って自粛しているのだろうか。そんな感じには見えない。世間様の目を意識して派手なアクションを慎んでいるに過ぎないとしか思われないのだ。
18日、東京でモンゴルの財閥への取材のアポイントがあった。地震ということで来日をキャンセルしてきた。これは納得できる。ところが20日に予定されていたセミナー(東京)も中止になった。そこで21日に帰福する予定のチケットを20日朝一番に切り換えた。20日には友人の会社の新社屋落成式が予定されていたのだ。「出席できない。申し訳ない」と心痛していたので「これで参加できる」と心が爽やかになった。運命のいたずらか「20日の落成式は延期」という連絡がきていた。何ちゅうことだ!
15日、ある一流ホテルでフレンチパーティが催しされることになっていた。筆者の愚妻は女性友人3名とでこの催しを楽しみにしていたのだが、当日の午前中に「中止」の通告があった。愚妻は「チケットを払い戻すという問題ではなかろう」とプリプリしていたのだが、冷静に考えてみるとよい。このホテルはかなりの損失を被ったと思われる。客商売のホテル業は異常な気配りを強いられる難儀な商売であることを痛感した。変わり者から「今ごろ、フレンチパーティか」という茶々を入れられることも想定しておくことが必要なのだろう。同情する。
わが社の看板女性社員は映画が大好きだ。試写会の招待券が届いた。これは18日に試写会が行なわれることになっていた。これがストップになったのだ。このケースは「異常な反応だ」と批判の対象にしてあげてよかろう。15日から17日の3カ日間に筆者に関わるイベントのキャンセルが10件あった。これでは気分不景気で日本は沈没してしまう。
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