NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ

会社情報

東日本大震災

東京臨海部に液状化の恐怖~首都直下地震が起きたら(1)
東日本大震災
2011年3月18日 07:00

首都直下地震が起きたら... 東北地方太平洋沖地震は、世界でも4番目の規模となるマグニチュード(M)9.0を記録した。気象庁によると、この地震によるM5.0以上の余震は、16日正午までに235回に達したという。また、この地震の影響かどうかはっきりしていないが、12日に長野県北部を襲った地震がM6.7、15日に発生した静岡県東部の地震はM6.4だった。

 こうなると、いつ発生してもおかしくないと言われている「東海地震」、そして以前から政府が危機感を募らせてきた「首都直下地震」の発生に、胸騒ぎを感じる人も少なくないだろう。
 もし、首都直下地震が発生したらどうなるのか。2003年(平成15年)に中央防災会議がまとめた資料によると、東京湾北部にM7.3の地震が発生した場合、経済被害総額は国家予算の約1.4倍に相当する約112兆円になるという。これは阪神・淡路大震災の被害額の約10倍にあたる。

 ただ、想定されている首都直下地震は、プレート同士の境界部分で発生する地震と異なり、大津波による被害を計算に入れていない。東北大地震は建物倒壊よりも、大津波により甚大な被害をもたらした。津波さえなければ、被害は大きくないのでは、と思うかもしれないが、そんなことはない。
 予想される被害のひとつが、ニュージーランドの大地震で被害を大きくした要因に挙げられた「液状化現象」だ。東北巨大地震では、東京湾臨海部の埋立地などで、液状化による被害がみられた。東京ディズニーランド、幕張メッセの駐車場は、かなり広範囲に液状化し、駐車していた車が泥にはまり、抜け出せなくなっていたという。

 液状化は、水分を多く含んだ砂質の地盤で発生する現象。このような地盤は、砂粒が接触していることで建築物を支えているが、地震が発生して強い振動を受けると、砂粒は崩れて固まり、液状化現象が発生する。液状化が発生すると、道路から水が噴出し、道路が大きく隆起・沈下するなどの被害をもたらす。もし首都直下地震が起きた場合、津波で広範囲に水溜りができた東北の被災地のように、液状化による浸水により、交通網が遮断されてしまうこともある。 臨海部を走る地下鉄のトンネルに関しては、崩壊してもおかしくないだろう。

 東京都土木技術支援・人材育成センターがホームページに掲載している「東京の液状化予測図」によると、23区東部は低地になっているため、西部より液状化しやすく、なかでも足立区、葛飾区、江戸川区、墨田区の部分的な地域が、「液状化が発生しやすい地域」となっている。その地域は、マンションの建設ラッシュなどで、人口も拡大している地域でもあり、住民は注意が必要だ。

(つづく)

【山本 剛資】



※記事へのご意見はこちら

関連記事

powered by weblio


東日本大震災一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル