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強かな企業征圧劇 鐘川製作所の策略(7)~究極の事業乗っ取り
特別取材
2011年3月28日 07:00

<究極の事業乗っ取り策に成功>

 さらに憎いのは、二重三重の詰め将棋をしていることだ。山本氏の持ち株150万円をゼロにすることに成功した。これは巧妙な資本対策なのである。山本氏の150万円が消えると、中野陣営側は490万円になってしまう(中野250万円、梶原100万円、都築さよ100万円、梅木知典30万円、徳安章吉10万円。梅木・徳安両名は、電子商事の社員)。以前は資本金990万円のうち、640万円を押さえていると目算していた。ところが、だ。山本氏の150万円が消えると、資本金は840万円になる。従来の目算でいけば、中野派は490万円だ。制圧率は60%を切った。大丈夫かな!?中野さん。
 中野陣営は、3月2日に法律事務所に行き、万全の臨時株主総会対策を練ったつもりでいた。

(株)オーシャンテックワールド だが、「天下分け目の関ヶ原合戦」を制して勝利したのは、邦次朗氏であった。同氏が梶原100万円、都築さよ100万円を攻略していたのである。判明したのは、4日のことであった。「勝負あり、天晴れ」と言うしかない。筆者が警告を発した通りに、最悪の結末になったのだ。あれほど信頼していた四国テクノのメンバーが、寝返った。中野氏のうかがい知れないところで、邦次朗氏は四国テクノ陣営に工作していたのだ。
 「290万」対「550万」―これでは勝負にならない。中野陣営の完敗であった。
 冷静に振りかえってみよう。邦次朗氏でなくとも、誰でも「会社清算」という方針を押しつけるのであれば、公表する以前に株主の多数派工作のメドをつける常道策をとる。中野氏と長い付き合いがあった四国テクノのメンバーでも、2年間経営の実体を握っている邦次朗氏から説得を受ければ翻意してしまう関係が構築されていたのだ。

 7日、邦次朗氏と山本氏の会談がなされた。山本氏は、O社を退社することを了解した。150万円がゼロになることも了承した。そのほかの詳細な内容については、定かではない。
 翌8日の午前中には、中野陣営の3人の株式分290万円が振り込まれてきた。「もうあなたたちはO社((株)オーシャンテックワールド)の株主ではない。縁が切れたのだ」という通告であったのだ。邦次朗氏にしてみれば、「金の切れ目は縁の切れ目」を実行したに過ぎない。これでO社の完全征服を完了した。15日段階で、O社の解散手続きはなされていない。
 こうなってしまえば、O社を存続させるか、K社((株)鐘川製作所)に直轄させるかは、もはやどうでもよくなった。ドル箱の事業を握ったことこそが、重要なのである。

(了)

【児玉 直、楢﨑 賢治】

COMPANY INFORMATION
(株)鐘川製作所
代 表:鐘川 喜久治
所在地:福岡県粕屋郡須恵町大字上須恵1495-1
設 立:1966年10月
資本金:4,000万円


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