10円で仕入れたアクセサリーを1,980円で売っている女性がなぜ成功しているか?価格の差は言うまでもないが、もっとも大事なことは、彼女がイヤリングやピアスといった装飾品に興味があって、その価値について詳しく知っているということだ。市場=客なので、市場を知っていれば、物が売れる。物の価値がわかれば、価格は売る人に決める権利がある。市場があれば、値段なんていくらでも良いのだ。
さらに、輸入ビジネスの特徴として、小が大に勝てるフェアな世界だということが挙げられる。海外では大きな会社も小さな会社もない。会社の看板なんてまったく関係ないのだ。
ずいぶん前に、スペインのある展示会で、今までに見たこともないような商材をみつけたので、「日本に進出した経験があるかを聞いたうえで、日本でぜひ売らせてほしい」とその場で交渉したことがある。その業者は、年間で100万円程度の小さな取引をしている業者が日本にいると答えたので、わたしはその業者との取引をやめさせて、自分とだけ取引する「独占販売権」を交渉した。輸入ビジネスにおいては、「独占販売権」を取ることは大事なのだ。わたしは基本的には、「独占販売権」がないところとは取引しないぐらいの意気込みで、輸入ビジネスをやっている。それぐらい「独占販売権」は大事だ。みなさんが小さな会社なら、「独占販売権」は取るべきだ。
去年10月、わたしの関係者で、エステをやっている人がいた。海外である商品を見つけて、「独占販売権」を取り、日本のビューティーショーに出展したところ、TBCからその商材を扱いたいというオファーが来たという。
また、九州の人で、本業は塾講師をしていた人だったが、ビジネスの柱をもうひとつ作りたいということで、輸入ビジネスを始めた人がいた。その方もドイツの展示会で、ある知育玩具を見つけて「独占販売権」を得て輸入し、ウェブサイトでネット販売していたところ、フランスのダノン社の日本法人からオファーが来たそうだ。そして、トントン拍子で取引が成立し、最初の取引が350万円だったという。
海外はフェアな世界なので、個人でも法人でも、大きな会社でも、小さな会社でも、きちんと品定めをして、「独占販売権」が得られれば、うまくいく可能性も高いのだ。
【杉本 尚大】
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