11日、福岡地裁は宮田騰宏被告(福岡市南区、50歳)に対して、懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を下した。
本件は、2008年4月から6月頃、福岡市の情報会社において編集長業務に従事していた宮田被告が、同氏の下で誌面製作などの作業を担当していた同僚女性への借金返済に充てるために、同女の作業代を不正に水増し計上するなどして、同社から金員を騙し取ったとされる事件。犯行は3回に分けて行なわれ、最初は水増し請求の手口であったものが次第にエスカレート。最終的には架空請求によって金員を騙し取るようになっていた。
判決理由のなかで裁判長は、同僚女性を巻き込んだ点や水増・架空請求を用いた手口を狡猾かつ無節操と指摘。また、犯行のなかごろからは、借金返済という動機に加えて自身に対する会社の待遇への不満も要因になっていたとして、自己中心的な犯行と断じた。加えて、被害者の処罰感情が和らいでいないことなどもにも鑑み、最終的に1年6カ月の有罪判決を言い渡した。ただ、侘び金の支払いなどで一定の反省が見られるとして執行猶予を付与。法廷では、裁判書を読み上げた裁判長から宮田被告に対して、「皆に迷惑をかけたことを反省してください」と声をかけ、宮田被告がこれに応じる姿も見られた。
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