<"米騒動"は誤った騒動 落ち着いた行動を>
11日に発生し東北・関東地方に甚大な被害を与えた東日本大震災。これにより東京都内のスーパーでは米やカップ麺などの主食となるものが売れ、欠品になっている。とくに米は売れに売れまくり、都内では、ちょっとした"米騒動"が起きている。今回、震災の被害を受けた東北地方は米の産地。「あきたこまち」で有名な秋田県を始め、宮城、山形、岩手、青森、福島の東北6県は日本でも有名な米の産地である。今回の震災で被害を受けた岩手、福島、宮城は当然のことながら出荷はできないが、秋田、山形、青森は出荷できる体制は整っているのにも関わらず、物流の関係でストップがかかっている。
「震災に遭った3県は仕方がないですが、他の3県(秋田、山形、青森)が物流の関係で物が送れないのは想定外でした。ガソリンも不足しているようです。北海道から海路で運ぶことも考えましたが、津波の影響で船が出航できないでいます。どうしようもありません」と、米穀関係者は語る。米の産地が甚大な被害を受けていることを鑑みて米の価格が高騰、または品不足になると焦り、大量に買い付けしている人が多いようだ。
しかし、農林水産省は、「14日朝、全国各地の商社、米問屋に在庫を確認しました。2010年6月末の民間在庫は221万トンもあります。また、政府備蓄米も98万トンあります。合計319万トンも米の在庫があり、恐らく政府備蓄米を出さなくても、供給には問題はないと思われます。恐らく今、売場から無くなっても、バックヤードから米が補充されるでしょう」と語っている。
300万トンの数字は東京ドーム9個分となり、国民一人あたりの米消費量は約60キロであることを考えると、仮に米の産地の出荷がストップになっても、我々の食生活には影響はない。当然民間在庫は新米ではなく、価格帯も多少は上がるかもしれないが、贅沢さえ言わなければ、米は無くならないのである。国民に落ち着いた行動が求められている。
*記事へのご意見はこちら