18日から国際協力NGOフリーピース(福岡市博多区、岩本達夫会長)は、東北地方太平洋沖地震の被災地に送る支援物資の仕分け作業を始めた。支援物資は、12日、福岡市天神で会社経営の男性がネットで呼びかけ、それに応じて集められた約50トン分。被災地ではまだ配送・受入が困難なため、大規模な輸送が行なわれていないが、福岡県を通じて整理されたものから物資の輸送は始まっているという。
仕分け作業には、企画した男性、同NGOをはじめとするボランティアの十数名が参加した。集まった物資のなかには、使用に耐えないものも含まれていた。使用中の歯ブラシ、封の開いたお菓子、水道水を入れたと思われるペットボトル、洗濯がされていない衣類など。何とか助けたいという気持ちで、あわてて持ち寄った物かもしれないが、被災者にとっては逆に迷惑になってしまう。
過去、アフリカに2年ほど滞在し、今はケニアへのボランティア活動を行なっている女子大生は「もし届けられたら、被災者の方たちにみじめな思いをさせてしまう」と、一品ずつ丁寧に内容を吟味していた。
もちろん、そうしたものがすべてではない。新品の靴下がつまった箱、激励の言葉が記された飲料水のペットボトルなど。被災者への手紙が貼り付けられていた支援物資の箱もあった。温かい気持ちが込められた物資は、きっと被災者に元気を与えてくれるはずだ。
NGOフリーピースは、アフリカの国々を教育の面から支援する目的で昨年設立された。しかし、日本が直面する未曾有の危機に際し、「まずは今回の地震の被災者支援を優先し、活動を行なっていく」と、同NGO会長の岩本氏は語った。21日は、福岡市中央区天神で募金活動を行なう予定である。
<お問い合せ>
国際協力NGOフリーピース
TEL:092-262-2360
URL:http://free-peace.org/
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