<(アッチェ≪水素)ビジネスは人の健康に尽くすことを確信>
南部氏のビジネス姿勢に感服することは「収穫したポストに執着しない」という生き様だ。たとえばパソナソフトバンクを上場させた。普通のパターンなら、上場実績を背景に社長・会長に君臨するではないか!!それが人間の本来の習性である。ところが、だ。南部氏は得たポジションを平然と破棄できる。また新たなビジネスにベンチャーしていく。まさしく『ビジネスゲームを楽しんでいる』と表現できるではないか!!
2回目の上場を果たしたのが、ベネフィット・ワンである。03年9月上場前に、南部氏は体調を崩していた。というほどではないが、糖尿病予備軍に当たる血糖値が高い状態だった。「これでは経営者保険には加入できません」と保険会社から警告を発せられており、「これは困ったな」と悩み始めた矢先、友人から「水素を食べてみたら」との誘いを受けた。何気なく3カ月ほどカプセル水素を食べていた。上場が近づいてきたある日、健康診断を行なった。保険会社の方が、この検査データを目にしながら「南部さん!!凄い。適正な健康指数になっています。これで保険は問題なく契約できます」と言われたという。ベネフィットを上場させて3年後の06年のことだ。
この頃は同社からも足を洗い、「もう残りの人生はビジネスから離れてエンジョイしよう」と心に決めていた。「南部さん!!水素素材を使った健康食品の会社の経営を見てくれませんか」と知人から打診があった。それがエクセレントパートナーズ(現・アッチェ)だった。やはり神様は、南部氏をただ遊ぶだけの人生を許さないのである。「終身現役」という神託が下ったというべきか。
「たしかに3年前、水素を食べて糖尿病指数が大幅に改善したような―。健康産業か、この将来性はどうなのか」と自問自答を始めた。健康産業界の市場調査も行なってみた。「これは面白い業界だな。無限の市場性があるぞ。まだまだ初期の段階だ。そして取り扱う素材=水素は新時代の商品であるからこそ、大衆を惹きつける魅力があるな」と南部氏の脳裏をアイデアが駆けめぐる。
南部氏の事業に取り組む基本姿勢には、ふたつの核心の軸がある。ひとつは、人々の生活、社会に大きく貢献するかどうかを判断基軸にしていること。「水素(アッチェ:スペイン語)は自分の体験からみても人間の体を健康にしてくれる。健康というテーマはどの人たちにとっても切実な問題だ。水素を活用し健康に貢献できるとなれば、素晴らしい社会貢献になるな」という結論に達した。
もうひとつは、「時流の先端を担い、いずれは時代の主流になって爆発する可能性があるビジネスか」を検討する基本姿勢である。自問自答して到達した認識は「水素を素材にした健康ビジネスは大成する」ということである。南部氏は「挑戦する以上は負けるわけにはいかない。私の人生信条はゲームには負けないということだ」と笑って語る。
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