ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

東日本大震災

「天国と地獄の狭間」著者からの提言(前)~哀悼から復興へ
東日本大震災
2011年4月 8日 07:00

東日本大震災の発生からまもなく1カ月になる。改めて、想像を超える自然災害の恐ろしさを痛感し、また亡くられた方には謹んで哀悼の意を捧げ、不自由な被災生活を余儀なくされている方々には心からのお見舞いを申し上げます。
 
いたるところにがれきが散乱している 今回の震災は、平安時代以来といわれるように1千年に一度の震災であった。私が属する不動産業界でも地震に対するエンドユーザーの感覚は鋭敏だが、それでもビルの耐震性は、通常50年の間に10%の確率で起こる震度によって評価している。
それよりもはるかに長い1千年というスパンで発生する災害に対して、人々が無防備であったとしても、やむを得ないようにも思われる。

 しかし、実際には人々は無防備ではなかった。
 3月11日、地震が襲った直後から、国中に巻き起こった助け合いの精神。天皇陛下もお言葉のなかで、被災者の秩序ある行動に対する世界の賞賛に触れられた。政府も直ちに対策本部を立ち上げ、自衛隊を総動員し、米軍による救援活動もいち早く受け入れた。
 福島原発の収束は、世界の願いであろう。情報開示を恐れて初動が遅れたのは明らかに反省すべきであり、その後の動静にも苛立ちを禁じえない。救いは、これも自衛隊、警察・消防、東電、メーカーなどの要員が、健康被害を覚悟しつつ使命感を持って取り組んでいることである。今からでも遅くはないので、世界にもあらゆる支援を求めて事態を収束させるしかない。
 
 しかし、こと災害に関して言えば1995年の阪神大震災以来、わが国の危機管理は長足の進歩を遂げたといっていい。

 地震の微細な初動を捉えて事前にアラームする緊急地震速報は、今回全国に何度も発信され、その内容が周知された。
JR東日本は新幹線の安全対策として同様のシステムを持っており、独自に設置しセンサーが前触れを感知し、送電を中止した。そのとき走行していた27本の新幹線車両には本震の9秒前に非常ブレーキがかかった。この結果、これほどの大地震にもかかわらず脱線の被害は1件もなかった。これなど驚くべき実績といっていいだろう。

 民間企業も、コンティンジェンシープラン(災害時の事業継続マニュアル)を持っており、社員の意識付けがなされていた。多くの企業で、被災しなかった事業所から東北地方の事業所へ、急遽応援チームを送り込んだ。
 阪神大震災では、ヨーロッパ各国が災害救助犬を連れて到着したが、税関が犬の入国にストップをかけ、人名救助のチャンスを逃した。しかし今回はそのような報道には触れなかった。

 阪神大震災の後は、多くのボランティアが被災地に乗り込み、ボランティア元年といわれたものだが、その後、災害のたびに数多くの若者が現地で被災者を支援するようになった。極限の環境では、組織されていない人々が活動するにはいろいろ問題はあるだろうが、長いスパンで善意の支援が続くことが望まれる。

(つづく)


*記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

東日本大震災一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル