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東日本大震災

「天国と地獄の狭間」著者からの提言(後)~哀悼から復興へ
東日本大震災
2011年4月 9日 07:00

 さて、今後の政策は、緊急避難から復興へと対応の軸足を移すことが必要である。

 製造業の稼動再開は時間の問題だろう。長引けば世界が迷惑し、わが国のGDPを押し下げるが、企業の垣根を越えて再開に向けて懸命の努力が続けられている。

 製造業が安定稼動するためにも電力不足を乗り切らねばならない。
 炎天下を家で休み、真夜中に活動する逆サマータイムを行なうのもいい。荒唐無稽と思われるだろうが、製造業はすでに深夜稼動に切り替えている。当然ながら東電は、厳しい工程だろうが、夏前までに、あと300万キロワットでも設備増強することをあきらめないでほしい。

 世界へのプラント輸出には、今回の震災はむしろプラスに寄与するだろう。
 新幹線の緊急停止の例ひとつとっても、ライバルとなるフランスやドイツに対して強力なセールスポイントとなる。原発ですら、無事収束できれば、震災に対する危機管理を考え抜かれた原発、ということになり安全性をアピールできるだろう。あらゆる経験をデータに残して、今後の世界の原子力利用の安全に資するようにしてほしい。

 被災地の支援は、避難所のフォローや仮設住宅への転居の進行により、衣食住がある程度保護されたら、次はコミュニティの再生が課題になる。

復興工事 地盤が沈下して、海に沈んだ土地をどうするのか。1千年に1度の津波に対抗できる堤防を造るのがいいのか、街ごと高台に移転するのか、はたまたその地方の中核都市に丸ごと移転するのか。区画整理のような方法を使うのか、利用できなくなった土地を国が買い上げるのか。
 今後の高齢化社会を踏まえると、物流拠点や漁港等、やむを得ない施設だけを海沿いに残し、そこまでは通勤するようにして、住居地域は近隣の都市に集約するのが、妥当と思う。

 これも政府からいくつかのガイドラインを示して地域での話し合いに付することだろう。復興への本格着手を早めることが景気に寄与することは明らかであり早速各地域の地域復興ビジョンについて早めに話し合いを持っていくことである。そのためにも政府のガイドラインは有効である。
 
 最後に、いまだ自粛ムードが続くが、震災から1カ月を期に公共施設の半旗を通常の国旗掲揚に改め、社会のムードを、「追悼」から「復興」に持っていくことを提案したい。大型店やプロ野球興行も、冷房に電力が必要な午後から夕方の営業を休み、その分深夜に営業したらいい。生活時間帯を変えることで、なるべく我慢せずに節電ができるようにし、過剰な自粛ムードは謹んでいくことが必要ではないだろうか。

(了)

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