中国を相手にビジネスをする場合、国民性の違いを理解する必要がある。中国人と日本人の違いで大きなポイントは、どちらか一辺倒の日本人に対して、まさに何でもありなのが中国人だ。中国人はアメリカとも日本とも仲良くしたいと思っているし、ふたつのリスクを取るのが中国だ。桃の木をめぐって、日中の子どもの違いを表した話もある。1個しか実がなっていない桃の木を見て、中国人の子どもは桃がないと言い、日本人の子供は1個あると言うのだそうだ。中国人は全体でものを言う国民性で、日本人は1個あっても「ある」と答える国民性なのだという。ほかにも、中国人は自己主張型で、日本人は自己抑制型。このように大きく異なる国民性を持っているので、中国人相手に商売をするのなら、交渉力と説得力が不可欠なのだ。
長年、中国経済の動向を見てきて、わたしは今の中国では、日本の80年代のビジネススタイルが合うのではないかと考えている。わたしが関わったビジネスでは、ガッツ、行動力、実行力などが求められ、頭の良さよりも体力、やる気があれば、成功につながっていくと思う。初めてグローバルビジネスを手がける人は、中国の経済市場、日本へのイメージ、国民性などを理解したうえで、ビジネスチャンスをつかんでもらいたい。
【杉本 尚大】
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