<アジアの技術と日本のアイデアを融合させ世界市場に挑戦>
爪磨きなどのネイルケアグッズの製造は現在、韓国から中国へと移り始めているそうで、韓国の工場で生き残っているのは、価格で勝負できるところか、商品の差別化ができているところだけだという。日本ではアリーナが独占販売権を持っているが、彼らも韓国でオリジナルブランドを立ち上げて、欧米に進出しているという。彼らにとっては、ある意味で日本をテストマーケティングとしてとらえているのではないかと、津野社長は言う。アジアの企業にとって、日本で成功したものは欧米でも成功すると思われている。今でもお互いにwin-winな関係になっているという。
去年11月、アリーナのオリジナル雑貨「キュピカ」は福岡県の産業デザイン賞の奨励賞を受賞した。そして現在は、ロフトや東急ハンズなどのバラエティグッズ専門店で販売されるなど、国内の取引先も拡大し続けている。当初、ライバルになると考えられていたネイルサロンでも販売してもらったりしている。
アジアの企業と取引する際、独占販売権を取れなければ、チャレンジするのは難しいのではないかと、津野氏は話す。アジアの企業とビジネスをする場合、独占販売権などのルール決めをきちんと整備することは、とても重要だそうで、文化や習慣、解釈の違いを理解するのが難しかったそうだ。爪磨きという日用品を作っていたメーカーに、キャラクター雑貨を作ってもらうことは、とてつもなく大変な作業だったと、津野社長は当時を振り返る。今では、韓国の工場とは「一緒にクオリティの高い商品をつくる」という意識の共有ができていて、とても良い関係を構築できているという。
現在、アリーナは6期目に入った。東日本の震災で、消費マインドは落ち込んでいるが、雑貨メーカーは、この先の消費者の消費行動を読み取り、これからどういうものが求められているかを日々考えて、新製品を発表していかなければならない。「小さな指先の輝きから、小さな幸せを届けられれば嬉しい」津野社長はそう考えながら、いつも新商品を開発しているという。
【杉本 尚大】
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