九州大学 大学院工学研究院 建設デザイン部門 教授 大塚 久哲 氏
1カ月前に東日本を襲った、未曾有の大地震と大津波。今なおその爪痕は生々しく残っている。これまで行なわれてきた防災の意味、今回のことを教訓に私たちが取り組むべき防災の姿とは―。九州大学大学院工学研究院の大塚久哲教授に話をうかがった。
<原発事故は「人災」>
―今回の地震では、地震の規模に加え想定以上の津波によって被害が拡大しました。
大塚 被害が拡大した大きな要因として、災害に対する想像力の欠如が挙げられると思います。
たとえば、今回甚大な被害を受けた福島原発では、想定津波高を5mあまりとしていました。しかし、今回の地震の波高は少なくとも14mとされており、これによって原子炉建屋を含む諸施設が冠水・破壊したと考えられます。大事故に至る直接的な原因は冷却用非常用電源の機能停止であり、これは津波が原因とされています。結果的に、福島原発では原発事故対策の3原則である「止める・冷やす・閉じ込める」のうち、「止める」だけしか行なえませんでした...(⇒つづきを読む)
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