NPO法人緑のカーテン応援団はこのほど、被災地の仮設住宅へアサガオやヘチマなど、ツル性植物でカーテンを作る「緑のカーテンプロジェクト」で支援することを表明した。このプロジェクトは、電力使用量削減を同時に実施できるとともに"自然のエアコン"で夏の暑さを乗り越えることが出来る、地球環境にもやさしいプロジェクトである。
同法人は、現在計画中ながらも、仮設住宅への資材などの支援を受けながらプロジェクトを進めていく。資金や資材の公募は実施中。2011年7月までに1,000戸、12年7月までに1万5,000戸、13年7月までに3万戸に設置する予定だ。
今回の取り組みについて、同法人は以下のようにコメントしている。
「仮設住宅に入居される被災者の皆さまの心のなかでは、否応なく地震や津波の記憶、愛する人を失った悲しみが繰り返されることでしょう。そのままでは、前を向き、希望を持って歩んでいく気持ちになりにくいのではと、私たちは気がかりでなりません。
緑には人の心を癒す力があります。小さな種から芽が出て日に日に成長し、いつしか窓辺をおおう緑のカーテンは育てる人の心に小さな喜びをもたらしてくれます。
また、共に育てることで、コミュニティ内の共通の話題ができ、互いの会話が増えることは、商店街の取り組みなどでも実証済みです。体の不自由な方がいらっしゃれば、代わりに水やりをしたり、育て方の情報交換をしたり、自然に声を掛け合い助け合うようになっていくことでしょう。
緑のカーテンには、人と人をつなぐ力があります。
今夏は、大幅な電力利用制限が実施される見通しです。仮設住宅の設計は、強い日射を防ぐ庇もなく、住宅の温熱環境として良好とはいえません。新潟中越地震の際建てられた山古志村の仮設住宅では、エアコンがほとんど効かず、大変暑かったということです。
さらに被災地の皆さんの心境を察すれば、エアコンが設置されていたとしても、呑気にそれを使うとは考え難い。
こうした気持ちを推し量り、NPO法人緑のカーテン応援団が緑のカーテンづくりのワークショップ形式による設置を行ない、実際に涼しさを体験し、この夏を少しでも心地よくすごしていただきたいと願っております」。
なお、3万戸の「緑のカーテン」という目標を達成するには、約1億5,000万円分の資材または資金、そして多くのボランティアスタッフの力が必要であるとのこと。
同プロジェクトへの賛同や支援、問い合わせなどはこちらまで。
【河原 清明】
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