中国人留学生レポート(2)
中国には「80後」という言葉がある。
通称「小皇帝」、「小公主」(それぞれ男の子、女の子のこと)と呼ばれ、中国では、特殊な存在だという。
「80後」は中国の「1人っ子政策」の直接的産物である。1人っ子で、親や祖父母に溺愛されて育ったため、欲しい物があれば、無条件に買ってもらえる。彼らは、幼少期からすでに中国の消費の牽引者なのだ。
その「80後」が今、結婚適齢期を迎えている。いわば、大衆消費時代の主役だ。「80後」の好みは中国の経済のみならず、世界各国の消費動向を左右しているといっても過言ではない。「80後」の人たちはみんな優秀な教育を受け,グローバル時代になじみやすく、世界的な視野を持っているという。
そして、「80後」は「中国改革開放後」の産物でもあり、新人類とも呼ばれている。「改革開放」時期の人たちは 「80後」の親にあたる人たちで、「下海(公務員、教師などが本職を辞めて、事業を興すこと)」した人が多かったという。相当な財産を築いてきた人も多く、そういう人たちの子どもは「富二代=起業家2代」になっている。言うなれば、消費だけでなく、社会の富を創る担い手でもある。つまり、「消費」と「創造」の2つの性格を持っているのが「富二代」の特徴だ。
一方、近い年代である日本の団塊ジュニア世代はいつでも狭き門と言われ、「勝ち組」「負け組」の差がついた世代。バブル期も体験しておらず、就職氷河期に遭遇した。裕福というキーワードは当てはまらない世代だ。しかし、裕福な「80後」たちの消費動向は、中国経済の注目の的となっているのだ。
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